DRIP POD10周年メッセージムービー
売り切り型からLTV(顧客生涯価値)重視のビジネスモデルへ転換するため、サブスクリプションサービスも展開。直販サイトのデータによると、定期便加入者のうち2年以上継続している人が半数を超え、昨年の購入割合では定期便加入者が約8割を占めた。
定期便加入者が多い理由は「あえて囲い込まない戦略」にある。一般的なサブスクリプションでは、解約の導線がわかりにくいケースが多いが、UCCは顧客との誠実な関係を重視。例えば、家庭内在庫が増えた際には、配送箱数や内容を自由に変更でき、配送予定日や配送間隔の調整、スキップもできる。
その結果、カプセルの箱数や内容を変更した人の解約率は、変更しなかった人の4分の1にまで低下し、配送タイミングを変更した人の解約率も5分の1まで下がった。
柳原氏によると、こうした柔軟性のあるサブスクは大手動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」も参考にしているという。同サービスは休眠アカウントの自動解約などユーザー目線に立った仕組みを設けている。柳原氏は「解約方法が分かりにくいサブスクサービスは不信感を持たれる。短期的に囲い込めても、短い延命でしかない」とし、「短期的には損失でも、長期的には顧客との健康的な関係を築くこと」が重要だとしている。
日本人の年間コーヒー飲用杯数は1人あたり約340杯だが、ドリップポッド利用者の年間飲用杯数は約450杯に達している。購入者の8割がリピーターであり、定期便加入者は6割にのぼる。直販サイトだけでなく、ブランド全体を通じて関係構築ができている。