電通デジタル「∞AI」にAIエージェント技術を導入 デジマ支援を高度化

電通デジタルは3月24日、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」の大型アップデートを発表した。各ソリューションにAIエージェントを導入することで、担当者業務の高度化、効率化、利便性向上を図る。

写真 人物 電通デジタルCAIO(Chief AI Officer)兼執行役員の山本覚氏。

電通デジタルCAIO(Chief AI Officer)兼執行役員の山本覚氏。

これまで「∞AI」ブランド内では、広告制作の最適化を図る「∞AI Ads」、チャットAI構築を支援する「∞AI Chat」、バーチャルヒューマンやオウンドメディア構築を支援する「∞AI Contents」の3つの機能と、それらのデータ基盤となるプラットフォーム「∞AI Marketing Hub」を展開してきた。

今回、各企業固有のデータの学習やマーケティング活動に活用可能な各種AIモジュール・データアセットを取り込んだ「∞AI Marketing Hub」内に、新たに4つのソリューションを開発。さらに、デジタル広告の制作プロセスをAIにより効率化・最適化する「∞AI Ads」において、画像・動画生成、効果予測の精度向上およびフローの対話化のアップデートを行った。

電通デジタルCAIO(Chief AI Officer)兼執行役員の山本覚氏によると、2023年のリリース以来、120社以上の企業において活用を進めてきており、導入前後で広告効果は平均154%改善。現在同社では、「∞AI」の活用を前提としたマーケティング支援が行われているという。

今回のアップデートにより、「∞AIはデジタルマーケティングのAIエージェントとして生まれ変わる」と山本氏。「AIエージェント」技術は、能動的にタスクを考え、必要なシステムやデータにアクセスし、タスクを実行できることが最大の特徴だ。

「当サービスは広告領域とエクスペリエンス領域が一気通貫で連携していることが大きな特徴。現在は社内での稼働のみだが、将来的にはパッケージとして提供するとも考えている」(山本氏)。

さらに山本氏は「国内外の電通グループが提供するAIエージェントのみならず、クライアントやパートナーのAIエージェントとのコラボレーションも将来的には可能になる。今後人間が直接データを触る機会は減っていくと考えられるが、これにより、“人の心に向き合う”という、マーケターが本来やりたかったことに注力できるようになるのでは」と展望を語った。

イメージ 「∞AI」ブランドの全体図。

「∞AI」ブランドの全体図。

新ソリューションは次の4つ。

① ∞AI Customer Data Hub
企業が保有する1stパーティデータやAIチャットで取得した対話、調査から得られるデータ、電通デジタルが保有する各種マーケティングデータを自動的に統合・構造化。顧客一人ひとりのカルテをリアルタイムで生成する。

② ∞AI Customer Twin
「∞AI Customer Data Hub」に蓄積・統合されたデータを元に、仮想顧客AIを生成する。担当者がAIエージェントを通じ、仮想顧客との対話型インタビューや調査を実施する形で施策の仮説兼粗油や提案を行う。

③ ∞AI MC Planning
広告配信におけるメディアプランニング、広告コピーの企画・効果予測などのマーケティングコミュニケーション(MC)施策におけるプロセスを、AIエージェントとの対話形式で実現する。

④ ∞AI CX Planning
顧客体験(CX)の改善を目的とした、カスタマージャーニー設計やアイデア創出のプロセスをAIエージェントとの対話形式で実現。「∞AI Customer Data Hub」「∞AI Customer Twin」に蓄積された顧客の嗜好、購入履歴、インサイトなどのデータ連携で、それらを反映させた顧客体験の設計が可能になる。

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