サントリー特茶の事例にみる都心の喫煙所サイネージ「BREAK」の効果とは?

サントリーは、お茶飲料『特茶』のプロモーションの一環で、都内の喫煙所におけるデジタルサイネージ広告を活用している。都心のビジネスパーソンへの訴求を目的とする同施策は、当初の期待以上に高い効果を発揮しているという。
 
サントリー食品インターナショナル ブランドマーケティング本部の伊藤正明氏と、喫煙所サイネージ「BREAK」を運営するコソド 取締役CMOの湯川健太氏が、3月4日、5日に開かれた「宣伝会議マーケティングサミットPREMIUM 2025」に登壇。「BREAK」の活用とその効果について解説した。

都心の喫煙者は消費力の高い貴重なセグメント

都内や横浜のビジネス街にあるオフィスビルなどにある喫煙所の広告メディア化が進んでいる。「BREAK(ブレイク)」は喫煙所に設置したデジタルサイネージのネットワークでその数は500カ所を超えた。

公共スペースなどでの分煙化が進んだことで、非喫煙者にとってタバコや喫煙はやや遠い存在になりつつあるが、喫煙人口は約1700万人と大きなマーケットを形成している。タバコの価格が上がっていることもあり、かつての大衆の嗜好品から経済的に余裕のある人が楽しむものへと変化してきているのだ。

2021年8月に実施された、首都圏喫煙所設置オフィスビルの喫煙所利用者に対するインターネット調査によると、都心オフィスエリアの喫煙者は、男性が9割ではあるものの、40~50代が50%、20~30代が40%と年齢層は幅広い。また会社員が9割を占め、その中でも役職者の比率が高いという特性がある。

「BREAK」の月間の延べ想定リーチ数は500万人を突破。利用者の職種は経理、総務、人事、経営企画、マーケティングといった内勤業務に従事する人が多く、普段外出機会が少ない現場の決裁者にアプローチできる点も強みとして挙げられた。

グラフ 「非喫煙者」と比較した、利用・購買傾向が高いカテゴリ

「月に10万円以上の可処分所得を持つ方が35.9%、世帯年収1000万円以上の方が31%と、経済力があり、消費力の高い層が多いのが特徴です。さらに非喫煙者と比較して、ゲーム、VODサービス、英会話、ゴルフ、アウトドア、ジムなどへの関心が高いこともわかっています。特に自己投資や趣味にお金をかける傾向が強いです」(湯川氏)

写真 人物 コソド 取締役CMO 湯川健太 氏

コソド 取締役CMO 湯川健太 氏

特保飲料「特茶」と喫煙者の意外な親和性

サントリーはこれらの特徴を持つ「BREAK」で、「特茶」の広告を展開している。しかし、特定保健用食品(特保)である「特茶」の広告を、健康と対極にあるとも言える喫煙と関わる場所に出稿するのはミスマッチにも見える。実際に、マーケティングを担当する伊藤氏自身も当初は懸念を感じていたという。それにもかかわらず、いったいなぜ、このような意思決定をしたのだろうか。

「健康食品やサプリメントを積極的に試す人の割合は、非喫煙者よりも喫煙者の方が多いというデータを見て、非常に面白いなと感じました。健康リスクが高まるとされる行為だからこそ、人一倍それ以外のところで健康に気を遣っていること。特に都心のオフィスワーカーには、その傾向が顕著に表れていることに可能性を感じました」(伊藤氏)

写真 人物 サントリー食品インターナショナル ブランドマーケティング本部 伊藤正明 氏

サントリー食品インターナショナル ブランドマーケティング本部 伊藤正明 氏

さらに、「特茶」購入経験は77.6%で、非喫煙者の37.5%と比較して約2倍であることものちの調査で判明している。やはり喫煙者だからこそ、健康への意識が高まっていることが見て取れる。

グラフ 喫煙者vs非喫煙者『サントリー/特茶』購入経験

「特茶」のターゲット層は首都圏の会社員だ。地方よりも首都圏で購買されることが多く、曜日別では平日に売上が集中し土日に低下するという特性があるという。

特保飲料という商品の特性上、「特茶」は健康にまったく興味のない人が買う商品ではない。一方で、健康にストイックな人がユーザーかというとそうではなく、健康に良いことをしなければという意識はあるものの、健康への取り組みに非常に熱心とは言えない層が主なユーザーだ。

このユーザー像と「BREAK」の訴求ターゲットとの親和性の高さから、出稿に至ったのだ。

広告認知率86%という大きな効果を発揮

サントリーは2023年秋から「特茶に含まれる関与成分ケルセチン配糖体の体脂肪低減効果を示したグラフ」を利用したコミュニケーションを展開している。

このCMを「BREAK」内で2週間公開したところ、約250万人にリーチし、「BREAK」で広告に触れた人の広告認知率は86%に達した。これは、非接触者の46.7%と比較して約1.8倍の効果である。

伊藤氏からも「なかなか見ることのない、非常に高い広告認知率だ」とのコメントがあった。さらに、「BREAK」での広告の視聴体験は、煙草を吸ってボーっとしながら広告を見るというものだ。これにより、他の媒体よりも情報を深く届けやすいのではないかと伊藤氏は分析する。

湯川氏からも、喫煙所という場の特異性について説明があった。

「喫煙者は1日平均5回喫煙所に行き、1回あたり約6分滞在しています。つまり、単純計算で1日30分の接触時間を確保できます。さらに、基本的に暇で無防備な状態でモニターを見ているので、しっかり記憶に残すことができるのだと思います」(湯川氏)

グラフ 空間的価値

最後に、伊藤氏から今後の展望が述べられた。今回の効果と可能性を踏まえて、今後も定期的にリーチする媒体として活用を進めていく方針だという。

「同じ1リーチでも、その重みや深さが他の媒体とは違うと感じています。見てほしい人に情報を正しく適切に届けるという観点で、非常に意味のある1リーチが実現できる媒体だと感じているので、今後も楽しみです」と期待を述べた。

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お問い合わせ

株式会社コソド

E-MAIL: break@cosodo.co.jp
BREAK特設サイト: https://break-smoke.jp/
BREAKの事例紹介はこちら: https://break-smoke.jp/casestudy/
媒体資料のダウンロードはこちら: https://break-smoke.jp/download/

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