SXSWで体感 すぐに実践できるAIとの創造的対話術 ―初期調査からプロトタイピングまで―

4. プロトタイピング
UI/UXからブランディングまで

MidjourneyやRunwayなどの生成AIを活用すれば、ビジュアルデザインや動画のプロトタイプを即座に作成できます。ヒューイットソン氏はセッションの中で参加者から募った「Zen」と「Futuristic」というキーワードを組み合わせたスタイルを作成しました。

同じキーワードからでも複数のスタイルが視覚化され、イメージの認識を統一する速度を高めることができると実感しました。筆者自身もプロジェクトでClaudeやReplitで簡易的なUIのモックを作って議論することが増え、以前のような直線的プロセスにこだわらない進め方の広がりを感じています。

ヒューイットソン氏のセミナーにて、瞬く間に睡眠用アプリのUIやビジュアルイメージが生成されていく様子。

現地で開催されたスタートアップのピッチコンテストにおいて、著名投資家であるマーク・キューバン氏は「起業家は目覚めている間のすべての時間をAIの学習に充てるべきだ」と発言しました。「ユニコーン企業は10人でつくれる時代になった」という言葉も聞かれ、スタートアップ界隈から学ぶことは今後も多そうです。

クリエイティブの境界線が消える未来

AIとの創造的対話がもたらす未来とは、クリエイターとAIの境界や、クリエイターと生活者、またクリエイターと企業などの境界が曖昧になる世界かもしれません。それは前回の冒頭に記載した物語のように、時に予想外の真実を明らかにし、私たちの思考の枠組みを揺さぶるものになるでしょう。

日本の広告・マーケティング業界も、AIとの創造的対話を通じて、新たな表現やコミュニケーション手法を開拓する時代に入っています。

「AIを使いこなす者が勝者である」——これはSXSWのスタートアップピッチコンテストで繰り返し語られたメッセージですが、より正確には「AIとの創造的対話を通じて新たな視点を獲得できる者が勝者である」と言えるでしょう。AIを「使う」だけでなく「対話する」プロセスを取り入れてみてはいかがでしょうか。

SXSW2025では他にも「アルゴリズムによる香りの生成」「デザイン素材としてのAI」「自分のレプリカとの共生」など、さまざまな興味深いテーマのセッションやワークショップが開催されました。筆者自身も引き続き事後調査を進めている状況で、X上で随時発信していきます。もしよければチェックしてください。

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中島琢郎

tacto Co-founder/Strategist

米系クリエイティブエージェンシー在籍中のカンヌライオンズ入賞をきっかけに、R&Dや新規事業開発に進出。デザインファームtactoを創業し、AIによる発想法の研究開発を行っている。37カ国を旅し、東京と直島の二拠点生活中。

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