OpenAI、動画生成AI「Sora」使った短編作品を披露 45カ国のクリエイターが参加

OpenAIは3月27日夜、動画生成AIモデル「Sora」を使ったショートフィルム作品を東京で公開するイベント「Sora Selects:Tokyo」を実施。開催にあたり、来日したOpenAIのメンバーや参加クリエイターらが取材に応じた。

写真 「Sora Selects:Tokyo」の様子

渋谷の映画館「シネクイント」で開かれた「Sora Selects:Tokyo」。イベントには東京からの参加アーティストのうち、たかくらかずき氏とKaku Drop氏の2人が登壇した。

写真 人物

来日したOpenAIのメンバーら。(左から)Rohan Sahai氏(Open AI Sora Product and Engineering Lead)、Souki Mansoor(同 Sora Artist Program Lead)。

OpenAIでSoraのプロダクトエンジニアリングを担当するRohan Sahai氏(写真左)によれば、アメリカ以外でSoraの利用者が多い都市のトップ5の中は、東京、ソウル、パリなどがある。「世界最大級のユーザーコミュニティがここ東京にあります」と話す。

一方、広告制作の現場での「Sora」の利用にあたっては、制作プロセスにおける合意形成の場面などで活用されている。「背景や部分的な修正、xRなどの使用のほか、広告主とエージェンシーの間ではコンテなどを使った提案段階、クライアントとの合意形成などで大いに活用いただければ」(Rohan氏)。

「Sora Selects」は日本を含む45カ国・地域からクリエイター、アーティストら約450人が参加しショート動画を制作するプログラム。イラストレーターや映像作家、フォトグラファー、AIクリエイターのほか、コレオグラファーらも参加している。

プログラム参加者らは一般ローンチに先がけてサービス提供を受け、Soraを使って作品を制作。これまでニューヨーク、ロサンゼルスで同様のイベントを開催し、東京は3都市目となる。日本からはアーティストの草野絵美氏、たかくらかずき氏ら約20人がプログラムに参加した。

参加アーティストの一人、たかくらかずき氏の「Deep Dream」。制作プロセスでは1カットあたり20回ほど試行。偶発的に生成された映像を活かした。

トロントの映像制作集団「shy kids」が制作した「my love」。2匹の猿のラブストーリー。テキスト、画像、動画などを使った生成回数は何百回にものぼった。

そのうち、魚市場で働きづめだった自身の祖母を描いた作品『Goddess』を制作したシンガポール出身のAIアーティスト Niceaunties氏は、次のようにコメントしている。「写真にも映像にも残っていない祖母の姿を、記憶だけを頼りにSoraで映像生成をしていきました。イメージがあればテキストでプロンプトを入力できるので、私が育った実家のタオルの色やお箸など、細部まで自然に反映させていいます。完成した映像を母と見たのですが、お互い見ているうちに涙が出てきました。感情的な映画ではない(むしろコメディ的な要素も含まれた)のにもかかわらずです。自身のストーリーや記憶をAIを通じて具現化し共有することで、人とのこうした繋がり方ができるのかと驚きました」。

写真 『Goddess』のビジュアル

Niceaunties氏の作品『Goddess』のビジュアル。

SoraはOpenAIが2024年12月に一般提供を開始した、テキストプロンプトから映像を生成するサービス。同社は26日、ChatGPTにGPT-4oのネイティブ画像生成機能を搭載したと発表している。

advertimes_endmark

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ

    マーケ資料ダウンロード