(右)大日本印刷(DNP)
情報イノベーション事業部
第1CXセンター
第1本部 第3部 部長
木茂浩太郎氏(きしげ・こうたろう)
金融関係のディスクロージャー誌やCSRレポートの制作担当を経て、企業のコーポレートコミュニケーションを支援。現在は周年を起点とした企業ブランディングに従事。
(左)コンテンツ・XRコミュニケーション本部
XRコミュニケーション事業開発ユニット
企画・開発部 部長
矢野 孝氏(やの・たかし)
企業向けにコンテンツとXRコミュニケーションビジネスを融合し「場の拡張」や「人の拡張」を実現するサービスを提供。XR・メタバース、AIエージェントを活用した周年事業に携わる。
「かつて企業の周年事業は、年史の作成や催事が主でした。しかし昨今は、社員を主役とし、自社のこれからについて考える機会を設け、周年で取り組むべき課題を見つけていく、こうした自発的、能動的な動きを重視する傾向があります」。企業の周年事業を支援するDNPの木茂浩太郎氏はこう話す。
同社では、周年事業を戦略立案からサポートしていくプログラム「Power Anniversary」を展開。次世代を担う社員を集め、未来のありたい姿について語らう「未来デザインワークショップ」を実施し、周年のタイミングで取り組むべき課題を抽出した上で、周年事業のコンセプトや具体的な施策を検討・提案するプロセスに進む。
社員との「対話」をもとに方向性を定め、経営層の想いをマッチングさせながら周年事業を進めることで、社内の賛同も得やすくなるという。
「周年は『祝う』だけでなく、社員同士が『語らう』ことで自社を見つめ直す機会になります。実際、ワークショップを開いてみると、参加者から『語らう場が設けられたこと自体に価値があった』といったポジティブな反響が得られています」(木茂氏)。
周年を機に「場」と「人」を拡張
海外のグループ社員をはじめ、多くの社員を巻き込んで周年事業を行いたい場合、注目したいのが、時間や場所の制約なく体験を促せるXRを使った手法だ。
「メタバースのようなバーチャル空間を周年事業で構築するケースが徐々に増えてきています」と話すのは、DNPでXRコミュニケーション事業に携わる矢野孝氏。バーチャルでの体験を通じて、交流を促したり、学びを得られたりするコンテンツへの関心が高まっているという。
バーチャル空間は周年イヤーが終わっても資産となり、企業カルチャーの醸成に活用しやすいという利点もある。
同社のXRコミュニケーション事業ではメタバースのような「場所の拡張」だけでなく、アバターのような「人の拡張」を実現するサービスも提供する。
「周年は、新しい技術を取り入れやすいタイミング。ぜひ企業のあるべき姿、課題を導き出しながら、その解決策のひとつとして、場所の拡張、人の拡張にも取り組んでみてほしいと思います」(矢野氏)。
図 周年は企業がさらに発展していく「機会」に
周年は「祝う」だけでなく、企業がステークホルダーと「語らい」ながら、ありたい未来の姿を描き、実現に向け発信していくチャンス。「エンゲージメント強化」「企業イメージ向上」「サステナビリティ経営実践」の機会と捉えたい。しかし、「周年事業は初めてのため、何から始めればいいか分からない」という担当者も多く、DNPでは、周年事業の立ち上げをサポートするケースが増えている。
インタラクティブ・XRの仕掛け
数多くの企業の周年事業のコンセプト策定に関わるDNP。周年のタイミングで取り組むべき課題に対する解決策として、インタラクティブ・XRを活用したツールを開発する。ここで紹介するインタラクティブコンテンツは、周年以外でも多用途に活用でき、インナーブランディングとしての利用価値も期待されている。
AI社員
「社員のスキル・技術の可視化」に課題を抱いている企業の解決策となるのが、AI社員の活用だ。社員一人ひとりのスキルや技術に関する問い合わせにAI社員が答える。画像は、DNPが周年事業を行う企業向けに開発しているAI社員コンテンツのイメージ。
企業タウンマップ
「企業と社会とのつながり」を表現するには「タウンマップ」風のサイトの見せ方も有効だ。縦スクロールせずにマップ上でコンテンツが一覧できる。画像は、北海道コカ・コーラボトリングの60周年事業で制作したサイト。北海道地域との連携をイラストで表現。工場部分をクリックすると、バーチャル工場見学ができる。
メタバース空間
「国内外の社員が交流する場」「ステークホルダーが楽しみながら事業について理解できる場」を設けたい場合は、メタバース空間を活用できる。画像は、DNPのリアルの施設(上)とバーチャルで再現したメタバース空間(下)。リアルとバーチャルの両方で開催したDNPの技術展示会においては、利用者が回遊しながら、空間内にいるAIアバターに各事業の取り組みについて質問、理解を深めた。

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