博報堂DYホールディングスは3月31日、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者定点調査2024」の結果を発表した。調査時期は2024年11月。全国15~69歳の男女を対象にしたインターネット調査で、事前スクリーニング調査のサンプル数は79,982、本調査の有効回答サンプル数は3,600。2022年から実施して今回で3回目の調査となる。
利用経験は前年比+0.3Pt
国内においてメタバース関連のサービスを認知している人は38.4%、推計約3,294万人という結果となった。2023年の調査においては40.5%の認知率だったのに対して2.1ptの減少が見られ、メタバースの認知率がわずかに下がっており、特に利用なし認知層が29.7%で-2.4ptの減少が確認できた。要因として、昨年度よりもメタバース関連サービスにおける認知を中心としたマーケティング施策が少なかったことによる生活者の認知率の減少の可能性があると分析している。
また、メタバース関連のサービスを利用したことがある人は全体の8.7%、推計約687万人が「利用経験がある(2-3ヶ月以上での利用)」ことが確認でき、わずかに利用層が増えていることが分かった。
なお本調査では約60のメタバース関連サービスを提示し、認知、利用経験・頻度を聴取。2~3カ月に一度以上いずれかのメタバース関連サービスを利用している人をメタバース利用層と定義している。
調査資料より引用。
先入観や偏見は薄れつつある
メタバースに関するサービス利用前のイメージを確認すると、「親しみの持てる」:10.8%(前年比+3.4pt)、「手軽な・簡単な」:9.7%(前年比+2.4pt)と、メタバースへの親和的イメージが増加していることが分かった。 一方で、「オタクが多い」:7.4%(前年比-4.0pt)、「先進的な・最先端」:12.4%(前年比-3.7pt)といった項目は減少するなど、メタバースが身近な技術としてイメージされ出していることも確認できたという。
調査資料より引用。
メタバース内広告が認知-興味に好影響
メタバースサービス内で企業の広告に接触した利用層の態度変容においては、「その企業の名前を知った:33.4%(前年比+1.6pt)」、「その企業に興味を持った:28.3%(前年比+3.1pt)」のように認知-興味といったファネルに肯定的な影響が確認できた。
また前年からの差分を確認すると、「その企業のSNSをフォローした:10.7%(前年比+5.0pt)」が最も伸長していることが分かったという。利用層のメタバース関連サービスの参考情報源として「X:32.8%(前年比+7pt)」が大きく増加しているという結果も出ており、メタバースからXなどのSNSアカウントに辿り着き、フォローが増加していると考えられると分析している。
調査資料より引用。
「メタバース利用層」と「興味あり未利用層」それぞれが好きなコンテンツや有名人について分析したところ、利用層では「お笑いバラエティ」「YouTuber/VTuber」「日常系アニメ」と、メタバースとも関連性のあるコンテンツが並ぶ一方、興味あり未利用層では「お笑いバラエティ」「アクション映画」「ポップミュージック」などが上位に入るなど、メタバース利用層と興味あり未利用層の嗜好性の違いが確認できたという。
調査資料より引用。
また好きな有名人カテゴリを見てみると、利用層では「YouTuber」「男性アイドル・タレント・俳優」「VTuber」が上位3項目に。
一方、興味あり未利用層では「男性アイドル・タレント・俳優」「YouTuber」は共通して人気であるものの、「VTuber」は低いスコアであることも確認できた。
