人との接触が制限されたコロナ禍以降、メタバースの登場などでデジタルの世界が身近になり、打ち合わせはオンライン、情報源はSNSが当たり前、となった昨今ですが、実はリアルな会場で実施されるイベントの市場は過去にも増して伸び続けています。万博やオリンピック・パラリンピックなどの大規模イベントだけでなく、地域活性化のための市民イベントやスポーツイベントなどが各地で活発に行われるようになっています。それと同時に参加者への安心・安全や環境、レガシーへの対応、外国人観光客の増加に伴うユニバーサルイベントへの対応などの責任を果たすことが主催する側や運営する側、共に求められてきており、ますますイベントプロデューサーのニーズと期待が高まっている状況と言えるでしょう。
小生が属している日本イベント産業振興協会が、1994年に通産産業大臣認定「イベント業務管理者資格(現:イベント業務管理士1級・2級)」のもとスタートした資格制度は、イベントへの社会的ニーズが高まる中、イベントの「安全」という基準をベースに、プロジェクトマネジメント、リスクマネジメント、コンプライアンス、ユニバーサルイベントといった能力を体系的に学ぶことができます。イベントは経験や勘によってつくられるものではなく、科学的方法論や、様々な視点で多角的にイベントをマネジメントしていく能力が不可欠と考えます。
今回紹介する本書では、そのイベントプロデューサーを、「エクスペリエンスプロデューサー」として、その役割をシフトさせました。著者紹介に「役割もプロモーションメディアの一つとしての位置付けからブランド体験そのものへと変わり、その重要性も増してきました。」とあるように、イベントに対する期待はますます拡大するものと思われます。
本書は、基礎、応用、実践と3つのパートに分けながらイベントの制作過程が分かりやすく解説されてあり、イベント制作に必要な知識やスキル、心構えまで整理して理解することができる内容となっていますので、イベントを通じて人々に感動体験を提供したいと考えている学生、イベント業界で働いているプロデューサーはもちろんのこと、イベント業務管理士資格者の方にもぜひ本書を手に取っていただき、新たな感動体験を創り出してみてください。成功を祈っています。
『エクスペリエンスプロデューサーが書いたイベントの教科書 「体験」の「カタチ」をつくる、超実践的思考法』
(中島康博 著)
「感動体験(心を動かす体験)」の「総合演出家」であり、「感動体験施策(感動体験を提供する活動)」の「プロジェクトマネージャー」でもあるエクスペリエンスプロデューサー。この2つの視点を兼ね備えることで、従来のイベントにとどまらない体験や経験を来場者に提供することが可能になります。
イベント制作の各プロセスにおいて、エクスペリエンスプロデューサーがどのように考え、どのような技術を使って制作、進行しているのか。基礎、応用、実践と3つのパートで具体的に紹介します。
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