客層が高齢化するミニストップ 新ソフトクリーム戦略で巻き返し図る

採算取れず縮小していた「ミニソフ」再拡大

ミニストップは、若年層へのソフトクリーム訴求を目的とした新戦略を開始する。創業以来販売してきた「ソフトクリームバニラ」を初めて改名し、「北海道ミルクソフト」として4月4日に発売する。価格は税込313円。改名前(税込270円)より値上がりしているものの、味わいの進化などで「勝算あり」と期待を寄せる。

今回のリニューアルでは、味やコンセプトを刷新し、イメージキャラクターに俳優の紺野彩夏を起用。店頭ポスターなどのビジュアルで積極的に活用する。同社は若年層の獲得を課題としており、「ミニストップ=ソフトクリーム」のイメージを改めて喚起したい考え。今年度はソフトクリーム専門店「MINISOF(ミニソフ)」の出店も加速させる。

写真 人物 新商品「北海道ミルクソフト」と藤本明裕社長(右端)。4月2日の発表会にはお笑いコンビ「シソンヌ」がゲスト参加

新商品「北海道ミルクソフト」と藤本明裕社長(右端)。4月2日の発表会にはお笑いコンビ「シソンヌ」がゲスト参加

1980年の創業時から販売している「ソフトクリームバニラ」は当初苦戦し、「注文が入ると、高校生のアルバイトが驚いてバックヤードに駆け込んだ」というエピソードもある。その後、粉乳から生乳への変更や、「2連ソフトクリームフリーザー」の導入など、試行錯誤を重ねた結果、人気が拡大。近年では「シャインマスカットソフト」など多様なフレーバーが好評を博している。2023年に導入したコーン製の「食べるスプーン」も注目を集め、ソフトクリーム全体の売り上げは伸び続けているという。

一方で、バニラに限ると売り上げは減少傾向にあり、特に若年層の喫食が課題となっている。同社は創業当初から利用している40~50代が主要な顧客層である一方、若年層はコンビニ以外の選択肢が増えた影響もあり、苦戦を強いられているという。約10年前までテレビCMを多く放映していたが、経済的な理由から現在は控えていることも一因だとしている。

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