第三者委の報告「風穴を開けた」と評価
フジテレビの不祥事を受け、同社と親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会の調査報告は、日本社会における不祥事への対応の在り方に新たな視点をもたらしたと専門家は語る。元毎日放送(MBS)のプロデューサーであり、同志社女子大学学芸学部メディア創造学科の影山貴彦教授は、従来の玉虫色の結論にとどまらず、厳しく責任を追及した点を評価し、「日本社会に対して風穴を開けた」と評価。メディア業界に限らず、企業全般において不祥事への対応には徹底した責任追及の姿勢が重要だと指摘する。
大きな批判を招いた1月27日の記者会見
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第三者委員会の報告について、影山教授は「わずか2カ月であれほどの調査報告をまとめたことは評価に値する」と述べた。今回の報告は、フジテレビという組織の問題にとどまらず、人事権を掌握していた日枝久前取締役相談役個人の責任にも厳しく踏み込んでいる。今回のように深く責任を追及する報告に至った要因について、「視聴者やスポンサーを含めた社会全体が後押しした」と見ている。
1月17日に開かれた最初の記者会見では、動画撮影の制限や出席者の制限といった対応が批判を浴びた。その後、27日に開かれた再会見ではフリーランス記者も参加できるオープン形式となったものの、日枝氏が欠席するなどの対応が再び批判を招いた。今回の報告においても「ステークホルダーに説明する責任意識が希薄である」と指摘された。
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こうした会見を受け、視聴者やスポンサーからも厳しい声が上がり、それが第三者委員会の厳しい報告につながったと指摘する。影山教授は「これまで受け手だった人々が主体となって企業を動かした」と述べた。