森永乳業は4月3日、大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」出展にあたり東京で体験会を実施した。子どもにも楽しくわかりやすくビフィズス菌の可能性を体験してもらうゲームなど5つのゾーンで構成する。
(左から)VRゲームを制作したワントゥーテンの津村大樹氏、VRゲームに脳波技術を提供したVIE 代表取締役 今村泰彦氏、会場で「スーパーシニアアテンダント」を務める松村好子氏、森永乳業 万博推進局長 湯谷太氏。
博報堂がブース全体の企画制作を手がけ、ワントゥーテンとともにVRゲーム「VR腸内クエスト」を開発した。3月18日に大阪で先行公開を実施、東京でも開催10日前にメディア向けにお披露目した。
ブース全体のイメージ。ゲームセンターのような空間に。
「ビフィズス菌!」と叫び悪玉菌と戦うVRゲームを6台設置
今回の展示テーマは「ビフィズス菌でスーパーヒューマン」で、VRゲーム「VR腸内クエスト」は約7分のコンテンツ。ブースには6台設置され、VRヘッドセットなどの装着時間を含めると約10分の体験時間を想定している。
プレイヤーが腸内に入って悪玉菌と戦うシューティングゲームで、手を動かして倒したり、「ビフィズス菌!」と発声したりすることで爆弾が投下され、敵を倒すことができる。さらに今回のゲーム用に脳波を測定するイヤホンを開発。人間が自らコントロールすることが難しい「脳波」によって戦うパートも用意した。
ワントゥーテンではVRコンテンツの実績は多数あるものの、発声と脳波を組み合わせたゲームの開発は新しい取り組み。今回のゲームはビフィズス菌の可能性を伝えることが目的であり、腸の働きと脳が互いに影響しあう“脳腸相関”の研究が注目を集めていることから、ゲームコンテンツに落とし込んだ。
プレイヤーが「ビフィズス菌!」と発声することで悪玉菌を倒すパートは、英語や中国語、韓国語などにも対応している。
「発声データをトリガーにする部分が特に苦労しました」と話すのは、今回の企画を手がけたワントゥーテンの津村大樹氏。滑舌の差や言い間違い、年齢などによる声のトーンの違いがあっても認証できるように調整している。
「最後にスコアが出ますが、集中力などを脳波で計測しているため、ゲームが上手い人でも高い点数が出るとは限らないというのも面白いところ。自分の腸内に入っていく、という体験を持ち帰っていただいて、広く発話を促す設計にこだわりました」(津村氏)。
森永乳業の万博推進局長を務める湯谷太氏も「外から見ると万博会場で『ビフィズス菌!』と叫んでいる人がいる、という異様な風景のブースになると思います。ぜひビフィズス菌の素晴らしい未来を感じていただけたら」と期待を込める。
なお、VRゲームの対象年齢は7歳以上。6歳以下の子どもも広く楽しめるよう、展示ブースには他のコンテンツも用意されている。
腸の音で敵を倒す「腸音波」、120歳になったプレイヤーの姿を生成し120歳とは思えない動きを披露する「振れ!スーパーシニアへの道」、美肌になったプレイヤーの姿で遊ぶブロックゲーム「スーパー美肌ブロック崩し」といった腸の働きにちなんだ体験型のゲームも多数用意されている。これらはブランクエスト(東京・新宿)が手がけた。
このほかブースでは、腸内細菌の検査結果を万博会場でフィードバックするコンテンツ「ワタシの腸内チェック」を初公開する。
