型破りな社員の姿をコミカルに描く、旭化成の新企業広告「はみだせ!うみだせ!旭化成」

旭化成は、3月13日に新たな企業広告シリーズ「はみだせ!うみだせ!旭化成」をスタート。特設サイトを公開すると共に、シリーズ初回となるCM、グリーン水素プロジェクトをテーマとする「熱すぎる内川」篇、半導体事業をテーマとする「ブレイクスルー松嶋」篇のオンエアを開始した。

本シリーズでは、時に破天荒で型破りなまでの社員のさまざまな活躍スタイルを、CGを用いてコミカルに描いている。主役を務めるのは、俳優の中島歩さんが演じるキャリア入社した社員。上司から「君に紹介した社員がいる」と言われ、登場したのは湯気が出るほどのアツさで、グリーン水素プロジェクトの実現に挑む社員・内川だった。その存在に圧倒される中島さんに、内川は「一緒に地球を変えよう!」と握手を求める。

「熱すぎる内川」篇

新企業広告シリーズの開始にあたり、「旭化成の工藤幸四郎社長より、明解なオリエンテーションをいただきました」と、ECD 足達則史氏。

「旭化成創業以来の企業文化、社員が心の中で大切にしているA-spirit、つまり野心的な意欲や進取の気風、これを呼び起こしたいというお話がありました」

そこで、クリエイティブチームは、まず同社のさまざまな社員へインタビュー。部署や年次、肩書きも違う社員から、現場や経営のリアルな声を聞いた。

「そのときに一番に感じられたのは、世界を本気で変えようとする『熱量』。そして、社員の皆さんのフランクさやキャラクターの濃さでした。だからこそ、これまでとは全く異なる顔つきをつくることを意識しました。

冷静ではなく、情熱へ。伝えるべきものは、旭化成さんが掲げる『A-spirit』という野心的な精神、その精神を持つ『社員』を描くことから企画は始まりました」(プランナー 磯部建多氏)

方向性は決まったが、いざ社員を描くとなると難しい。それは自画自賛や内輪なものになってしまう危険性があるからだ。そこで、フラットな第三者視点を登場させることで、世間と同じ目線をCMの中にも持ち込むことを考えた。

「社員の描き方も、生っぽくしては勝ち目がない。ドキュメンタリーのような手法では、短い尺の中でその精神性を伝えきれない。だからこそ、社員のキャラ・想いの強さを誇張して、フィクションとしての面白さに振り切ること。そこに第三者の視点がある種のツッコミとして機能するよう設計しました」

キャッチフレーズは「はみだせ!うみだせ!旭化成」と、勢いを感じる言葉になっている。

「旭化成が本来もつA-spiritをかけ声のように使いやすく翻訳すること、そして各世代、各分野の社員の方のインタビューを通して、誰かが決めたルールや常識にしばられずに前提や枠組みそのものから疑い、新しいものを生み出していく精神を共通して感じたので、コピーにしました。

広告表現に理解のある社長から『意味はもちろん、リズム感や言いたくなる感覚を大切にしてください』と言われたのも指針になっています。旭化成も含めてのコピーなので、CMの佐藤渉監督にはそこをしっかり理解してもらえて、気持ちよく、かつスピリットがこもったナレーションで表現してもらえました」(コピーライター 細川美和子氏)

「熱すぎる内川」篇と一緒にオンエアされている「ブレイクスルー松嶋」篇には、常識に捉われず、半導体事業のブレイクスルーを起こす社員・松嶋が登場。どちらのCMもドラマチックな音楽と共に、まるでヒーローもののアクション映画のごとく登場する社員の個性や振る舞いに目が奪われる。

「ブレイクスルー松嶋」篇

「中途半端な自画自賛に終わらないように、まず、社員の描き方の異常性にこだわりました。壁を壊すこと、熱くて湯気が出ることは、出オチで終わってしまう危険性大です。だからこそ、そこからの異常性の連鎖をどう作るかを意識しました。

また、第三者視点の存在(中島歩さん)の描き方もポイントでした。CMには描かれていませんが、中島さんがどんな出自の人で、どんなイメージを持って旭化成にキャリア入社したのか、裏設定はあらかじめ用意していました。少しインテリな印象から始まり、後半にかけては、ただただ社員に驚かされるばかりの『リアクション芸』でギャップを作り、チャーミングに。佐藤監督の冷静かつ、シニカルな視点はさすがの一言で、社員の誇張表現も、中島さんへの芝居演出も、このCMのクオリティーを何十点も上げてくれました」(磯部氏)

CMでは、同社の工場やオフィスでも撮影。またCMの最後のナレーション「はみだせ!うみだせ!旭化成」は、同社若手社員が読んでいる。
「一致団結した声のまとまりとリアルな熱量が、このCMのフィクションな世界に説得力を与えてくれました」(磯部氏)

本CMはテレビでのオンエア、公式YouTubeでの公開他、電車内ビジョン、屋外サイネージ、Tverでも展開している。SNS上では「面白い!」「好きすぎる」など、好意的な声が多く上がっており、次作にはどんな社員が登場するのかという期待感も生まれている。

スタッフリスト

企画制作 電通、(つづく)、GEEK PICTURES
ECD 足達則史
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CD 八百朗
C 細川美和子
企画 礒部建多
AD 川腰和徳
CPr 有光孝文
Pr 中田晃生
PM 川島陵雅
演出 佐藤渉
撮影 塩谷大樹
照明 横堀和宏
美術 宮守由依
ST 柚木一樹
HM 向後 志勇、坂本 志穂
Cas 中尾 有希、野村 明花、元川 益暢、福田エミ
音楽 河副洋之
編集 前田 憲彦(オフライン)須藤 公平(オンライン)
SE 田中宏峰
MIX 小松徹
BP 増田 健、中澤 達彦、寺倉 靖明、沼田 敦、古川 拓
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