「歯磨き粉」から学んだ「キリン生茶」の革新戦略 18年ぶりの3000万ケース突破の理由

アーティストとのコラボや生成AIコンテンツを展開

キリンビバレッジは、「キリン生茶」ブランドの新施策「生茶LIFE&TEAアクション」を開始した。アーティスト、ファッション、カルチャーなどとのコラボ企画のほか、生成AIを活用したコンテンツも展開する。昨年のリブランディング以降、「持ち運ぶアイテム」というペットボトル緑茶の新たな価値を打ち出しており、同施策でその価値をさらに高める考えだ。

生成AIアートを掲げるブランドアンバサダーの出口夏希(左)と鈴木亮平。

企画の一環として、アーティストの長場雄とのコラボレーション施策を実施。今後、長場氏と「ディズニー」を交えたコラボ企画も予定している。4月15日には「キリン生茶」のパッケージと中味、「キリン生茶 ほうじ煎茶」のパッケージをリニューアルして発売。同日から放映する新CM「きもちよさ、と生きていく」篇には、ブランドアンバサダーである鈴木亮平と出口夏希が出演する。

2024年4月にブランドをリニューアルした「キリン生茶」ブランドは、同年に3123万ケースを販売し、年初目標としていた2750万ケースを大きく上回った。年間販売数が3000万ケースを突破するのは18年ぶりとなる。

無糖茶カテゴリー市場は縮小傾向にある。ペットボトル緑茶に対しては「どれも同じ」というイメージが定着しており、大きな課題だった。そこで「緑茶はこうあるべきだ」という固定観念を打破する視点からリブランディングを実施した。

緑茶を単なる飲み物としてではなく、「持ち物」としての価値に着目した。ペットボトルの緑茶は、一日中持ち運ぶ人も多いため、「気分を高めるアイテム」として訴求。上品で洗練された印象を与えるパッケージデザインを採用した。

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