【関西万博】NTTパビリオンではPerfume登場、IOWNでダンスの振動も再現

4月13日の開幕に向けて最終準備が進む大阪・関西万博。開幕に先駆けて、9日にメディアデーが開かれた。

夢洲駅から徒歩5分ほどの東ゲートから入場して目の前に広がるのが、「東ゲートゾーン」だ。ここには日本館のほか、関西各地の魅力を発信する「関西パビリオン」や、「三菱未来館」「パナソニックグループパビリオン『ノモノ国』」「住友館」といった国内大手企業が手がける民間パビリオンが立ち並ぶ。

その中で東ゲートを入ってすぐ右側に位置するのが、「NTTパビリオン」。ここでは同社のIOWN(アイオン)をベースとした3D空間伝送技術などを用いて、未来のコミュニケーションを感じられる「Parallel Travel」という参加型の体験を提供する。体験時間は22分で、一度に最大70人が参加可能。設計・監理はNTTファシリティーズが、施工は奥村組が担当した。

写真 NTTパビリオンの外観

NTTパビリオンの外観。手前に写る会場のスタッフが着るライトブルーのユニフォームを手がけたのは、アンリアレイジの森永邦彦氏。

体験は3つのゾーンに分かれており、参加者は移動しながら各ゾーンを巡っていく。ゾーン1ではプロローグとして、コミュニケーションの進化をたどる3分30秒の映像が流れる。

写真 ゾーン1に設置された180度のLEDモニター

ゾーン1に設置された180度のLEDモニター。「誰かと繋がりたい」という普遍の価値、コミュニケーションが進化してもなお生じる「それでも物足りない」というもどかしさを描いた。

続いてゾーン2に移動すると、入口で3D映像用のサングラスが手渡され、テクノポップユニットPerfumeをパフォーマーに迎えた「IOWNによる3D空間伝送体験」を体感できる。

ここで見られるのは、4月2日に万博記念公園(大阪・吹田)にステージを組んで撮影・計測されたPerfumeのパフォーマンス。3次元の点群データと画像データを組み合わせることで、時間や空間を超えて、パフォーマンスを今、目の前で見ているような体験を提供する。また会場の床には百数十個の振動子(振動を再現する部品)が埋め込まれているため、Perfumeのダンスやステップによって生じる振動も体感でき、臨場感を高めている。

4月2日に実施された撮影の様子(Perfume公式YouTubeより)。

さらにゾーン3では「Another Me 未来の可能性」と題して、参加者の姿をスキャンして生まれたアバターたちが、自由に歌って踊る映像を見ることができる。

参加者たちは最初にカメラの前に立つように促され、10秒ほどで姿がスキャンされる。

写真 スキャンコーナー

それが瞬時に取り込まれ、まるでミュージックビデオのような映像に変化していく。

写真 スキャン時は直立・真顔の状態だった参加者ら

スキャン時は直立・真顔の状態だった参加者ら。

写真 映像の中でアバターが表情を変える

写真 映像の中でアバターが表情を変え自由に歌い踊り出す

映像の中でアバターが表情を変え自由に歌い踊り出すと、会場からは驚きの声が上がった。

この体験を通じて、「もう一人」の“自分”に出会うことで、自らの新たな可能性を考えさせるねらいがあるという。

万博期間中にNTTパビリオンの「館長」を務める同社 大阪・関西万博担当統括部長の吉川勲氏は、「(特にゾーン2では)IOWNを活用することで、視覚と聴覚だけでなく五感を通じた、よりリッチなコミュニケーションを提供できないかというのが今回の大きな挑戦でした。ゾーン3で体感していただくのは、IOWNが実装された未来のコミュニケーションの在り方です」と説明している。

写真 人物 NTT 大阪・関西万博担当統括部長の吉川勲氏

NTT 大阪・関西万博担当統括部長の吉川勲氏(写真左)。

さらに、会場外にもいくつかの仕掛けが。
NTTパビリオンの周りに張り巡らされた幕は、実は内部の参加者の盛り上がりと連動しているという。会場内の参加者の笑顔を、AIを用いてリアルタイムで推計・分析し、その量に応じて複数のパターンで幕が揺れる仕組みだ。ここでも「IOWN光コンピューティング」技術が用いられている。

写真 会場の外観に張り巡らされた幕

会場の外観に張り巡らされた幕。参加者の笑顔を分析し、人工的に揺れる。

その他、パビリオンの周辺には、コミュニケーションの進化を体験できるパーソナル体験ゾーンも設けた。3つ設置された公衆電話では、受話器を取って特定の番号を押すと、10種類のストーリーを聞くことができる。

写真 公衆電話
写真 せかいがきこえる伝話

母親への受験の報告や、恋人との会話といったストーリーが流れてくる。

さらに、その横に設置された「ふれあう電話」は、福岡伸一によるシグネチャーパビリオンの会場近くに設置された装置と繋がっており、音と映像に加えて触覚も伝えることができる。片方で台をたたいた振動や鼓動といったものが、もう片方に瞬時に伝わる仕組みだ。

写真 ふれあう電話

振動や鼓動なども、離れた人にリアルタイムで伝えることができる。

こちらも、会場に設置されたIOWNにより実現しているもの。ゾーン2で体験する、伝送技術が実装された未来を示した。

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