若年層へのパーパス浸透を狙う コクヨがラジオ広告に注力する理由

ラジオを起点にSNSやリアルイベントでも話題化

コクヨは自社のパーパスの浸透を目的に、ラジオ広告を活用したコミュニケーション施策を展開している。テレビCMだけでは届きにくかった若年層との接点を広げる狙い。テレビプロデューサーでラジオパーソナリティも務める佐久間宣行氏との連携を軸に、リスナーの共感を生む施策を打ち出している。企業とファンが「仲間」としてつながるラジオコミュニティならではの新しいブランディングの成果を聞いた。

ラジオパーソナリティの佐久間宣行氏

ラジオパーソナリティの佐久間宣行氏

2022年に「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。」というパーパスを制定し、2023年に特設Webサイト「コクヨのヨコク」をオープン。以降、理解浸透を目的とした20年ぶりの企業ブランドテレビCMやWebCM、イベントなどを展開してきた。一定の成果はあったが、同社が当初ターゲットとして想定していた20代から30代の若年層に対しては、その波及効果は限定的であったとしている。

コーポレートコミュニケーション室の大貫遥氏は「テレビCMは予算の制約もあり、実施できる施策には限りがある」と指摘。放映期間中は認知度が高まるものの、その後も継続して放送しなければ、効果は次第に薄れてしまう。そこで、より持続的に新パーパスを訴求できる施策を検討したところ、ラジオ広告に着目した。

その結果、ニッポン放送のラジオ番組「オールナイトニッポン0(ZERO)」でパーソナリティを務める佐久間氏とのコラボに至った。社内サークルとして佐久間氏の著書をテーマにした読書会が存在しており「佐久間さんと何か仕事がしたい」という熱意が社内に醸成されていたという。佐久間氏のリスナー層は、コクヨがメインターゲットとしていた10代から30代の若年層と重なっており、親和性が高いというメリットもあった。

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