地域企業の取り組みを紹介するマーケティングイベント「アドタイデイズリージョナル2025春」(大阪会場)が3月に開かれ、アトの森傑氏、丸山豊氏はデジタル未達領域にリーチするポスティングの成功施策について紹介した。
コロナ禍を経てポスティング市場が成長
ポスティング事業を手掛けるアトは、全国に58拠点、月間稼働配布パートナー数を約2万人保有しており、ポスティング業界最大規模の組織である。売上高推移は、コロナ禍を機に右肩上がりになっている。
電通が発表した「2023年 日本の広告費」によると、新聞折込やDM、フリーペーパーなどが軒並み落ち込んでいる中、ポスティングは2022年より6.1%アップし、市場において成長を見せている。
その背景には、コロナ禍以降の在宅率の上昇が挙げられる。テレワークなどによる在宅率・受け取り率、フードデリバリーサービスのポスティング需要が増加した。また、新聞折込広告の部数の減少により、ポスティングへ移行したことや郵便料金の値上げによりDMから取って代わったことも要因となった。
ポスティングに適したクリエイティブ
アトのポスティングプランは2種類。商圏・ターゲットが限定される飲食店や学習塾などには「エリア指定プラン」、多店舗型、通信販売など商圏・ターゲットが広域な場合には「エリアフリープラン」がある。エリアマーケティングが可能だが、個人ではなく世帯の特性によって行われる。国勢調査データを使ったGISツールによるセグメントを導入し、最大650項目の内容から希望に合った属性をセグメントすることができる。
続いて、丸山氏はポスティングのクリエイティブについて、「自分にとって必要な情報だと感じてもらえなければ持ち帰ってもらえない」と説明。その上で、「新聞折込用に使っていた広告をポスティングに流用しても効果が得られないので、ポスティングに向いたデザインや形状にする必要がある」と強調し、6件事例を紹介した。
ハイクラス転職サイトはハガキ型から招待状型に変更したところ、反響率が2倍以上に向上。サプリメント通信販売は、一般的なA4サイズ等ではなく封書タイプにすることで視認性の向上を実現した。大手フィットネスジムは、サービス開始時にはB3縦型サイズで情報量の多いチラシを制作。一般的なチラシより大きいサイズで展開することで差別化を図り、サービス認知後は、A4縦型の招待状タイプに変え消費者目線で求められる情報を掲載した。
大手配車アプリは、サービス開始時にスマホを模した型抜きの形状でポスティングを実施。魅力的なダウンロードオファーも記載することで、アプリのダウンロード数も順調に獲得できた。CMの放映、OOHの施策が始まったタイミングで、ブランドイメージをチラシに落とし込むクロスメディア施策も実施。CM起用の俳優をチラシに掲載したり、配布する時期を合わせたりと季節感のある原稿を作成した。
化粧品通信販売会社では、これまで折込チラシで利用していたB4横型のデザインをA4サイズに縮小してポスティングしていたが、A4縦型のチラシに変更。商品画像を大きく、米ぬかの良さをイメージで伝えられるビジュアルを採用することで反響は4倍に。フードデリバリーアプリの場合は、懸賞型のチラシや型抜きチラシ、金券型チラシ、ICカード型チラシなどを展開した。
各ターゲットに合わせたポスティング
最後に森氏がアトのサービスについて説明。低コストで大量投下ができる「MEGA POS」、都心富裕層へリーチできる「yoff」、メーリングサービスのIMURAと提携した宛名無DMの「MEGA LETTER」、サイバーエージェントと提携した「エレベーター・サイネージ」など幅広く展開している。そのほか、地域情報を載せた熨斗紙に包んだ広告物をギフトとして配布する「@LETTER」がある。
さらに近日リリースされる、24時間いつでも広告を発注できる「ADX」について紹介した。店舗数が多い場合には複数店舗の発注が可能で、エリアなどの配布条件を詳細に設定でき、設定したターゲットへのリーチ数推計も表示可能だ。また、配布レポートの共有ができるため、今後の集客に活用することもできる。見積は簡単で、取扱い媒体はポスティング、新聞折込、DSP配信。DSP用のバナー画像はAIを活用しながら手軽に作成することができる仕組みを今後実装予定。「各企業様に合わせた提案が可能ですので、ぜひお気軽にお問合せください」と締めくくった。

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