33億ドル規模のユニコーン企業が日本上陸 音声AI技術で日本の多言語化に貢献

活用事例の共有で生成AIに対する不安払しょく

創業からわずか2年で時価総額33億ドルに達したユニコーン企業「ElevenLabs(イレブンラボ)」が、日本に進出した。初の海外拠点として、日本法人「イレブンラボジャパン」(東京・千代田)を4月14日に設立。同社は高品質な音声AIサービスを提供しており、人間のように自然なテキスト読み上げや吹き替えを強みとしている。アニメや映画など、世界市場に通用する映像コンテンツを持つ日本は多言語展開の需要が高く、進出先として選ばれた。すでにNTTドコモやTBSなどとの協業も進んでいる。

写真 人物 イレブンラボジャパン Japan&Korea ゼネラルマネージャー 田村元氏

イレブンラボジャパン Japan&Korea ゼネラルマネージャー 田村元氏

日本法人では、今年中に国内で10人以上を雇用する方針。BtoBやBtoCを問わず幅広く訴求し、企業から行政まで多様なユーザーと連携することで、様々な使用事例を発信し、製品の認知拡大を図る。

同社は、幼馴染である2人のポーランド人マティ・スタニセフスキー(CEO)と、ピョートル・ダブコフスキー(CTO)が、自国で流通する「吹き替え版」の質の低さに課題を感じたことをきっかけに、2022年に起業した。現在はロンドン、ニューヨーク、ワルシャワを主な拠点としており、この1年で従業員数は30人から160人へと急成長を遂げた。

2025年1月にはシリーズCラウンドをクローズし、時価総額は33億ドルに達した。自然なイントネーションや感情のニュアンスを保持する音声合成技術は、様々な業界から高い期待を集めている。

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