2024年にリニューアルした「コピーライター養成講座 下東史明コース」も効果的なワーディング(=単語選び)について集中的に学ぶプログラムになっているという。下東氏に、講義で学ぶワーディングのコツや刺さる言葉の作り方について伺いました。
「短い」ことが第一条件。言葉の「強度」とは何か
良いコピーの第一条件は「短さ」だという。「長ったらしいのは良くない」と断言する下東氏が、長い文章を使うのは「理由や根拠がある場合のみ」と話す。また言葉の発音のしやすさ、つまりリズムも重要な要素だという。
「伝わる」と「刺さる」という言葉の違いについても明確に定義。「伝わる」とは「正確に内容・情報・意味が届くこと」であり、「刺さる」とは「伝わっている前提でさらにその強度が高いこと」だという。しかし、刺さる言葉は個人差が大きいため、「全員に刺さる」より「ターゲットに刺さる」ことが重要だと説明する。
強度の強い言葉とは、読んだ瞬間から1時間後も、1日後も、違う場所でも覚えていられる言葉のことだ。記憶に残りやすい言葉の特徴として「短さ」「言葉のリズムや音」「覚えやすさ」を挙げ、「覚えやすいものは基本短いしリズムもいいし、声に出したときも言いやすい」とその関連性を説明した。
単語選びの「独自性」と「凡庸度」のバランス
言葉の強度を上げるためのワーディングについて、下東氏は「独自性」を重視しながらも、「あまり独自性が強すぎると良くない」と警告する。奇抜な単語や言い回しを避けた方がいい理由として、受け取る側に伝わる確率が低くなる点を挙げた。曲の歌詞に例えて「小難しい単語を使っている歌詞よりも、よく使われる単語だけどその組み合わせや言い方が新鮮であるものの方がいい」と補足する。
言葉は、凡庸すぎても奇抜すぎても効果的ではなく、その中間が重要だと続ける。凡庸な表現になってしまう理由は「単語の意味や言い回しを自分で精査していないから」だとし、奇抜になりすぎるのは「ただ奇をてらうことだけを目指している」からだと分析する。
さらに下東氏は「ワーディングというと名詞に関することだと思いがちだが、実は大事なのは名詞ではなく動詞」であることも語った。
テキストと会話で異なる語彙力
テキストとして考えるときの語彙と会話で考えるときの語彙・ワーディングは違うという。日々の生活の中で小説、エッセイ、新聞、雑誌、SNSなど文字に溢れているテキストに能動的・意識的に触れることの重要性を説く。
自身が講師を務める講座の内容についても触れ、講座では「練習問題→テクニック解説→再度練習問題」という流れを繰り返し、始まって5分と1時間後の時点を比較し、自分がどれぐらい身についたかわかる構成になっているという。
――本インタビューの全編は、宣伝会議公式YouTubeにて公開中です。是非ご覧ください。
<コピーライター養成講座 下東史明クラス 講座概要>
◯開講日:2025年5月18日(日)、5月25日(日)各日13:00-17:20
◯講義回数:全2回
◯開催形式:教室開催(宣伝会議 表参道セミナールーム)
◯定員:先着30名
◯詳細・お申込はこちらから
