芹澤連さんとマーケターは『ブランディングの科学』をどう読み解いたのか

AdverTimes.主催「論文輪読会」が1月27日に初めて開催されました。第1回のテーマは、書籍『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11』(バイロン・シャープ 著/アレンバーグ・バス研究所 著/前平謙二 訳/加藤巧 監訳)。
 
書籍『戦略ごっこ』の著者で本コラム筆者の芹澤連さんをホストに、パネリストには、ヤッホーブルーイングでマーケティング部門の責任者を務める仮屋光馬さんと、サイバーエージェントで小売/消費財メーカー向けプロダクト「AI POS」の責任者やデータサイエンティストを務める早川裕太さんに参加いただきました。
 
「ブランドの成長には4Pのどれが最も効果的か」「購買重複の法則における『シェア上位ブランドと多くの顧客を共有している』という事実を踏まえると、どのような戦略を立てるべきか」など、5つの問いに対して議論を交わしました。
 
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。レポート大変お待たせしました。(編集部)

第2回輪読会、4月17日エントリー締切です。
本件のお知らせを記事末尾にも記載しています。

マーケティング4Pの中で最も重要な「P」とは?

議論は、まずパネリスト2人の考えを聞いてから芹澤さんが見解を述べ、さらに意見を交わすという流れで行われた。オンラインで開催され、100人を超える聴講者が集まるなど、初回から高い期待がうかがえた。

アジェンダ

最初に提示された問いは、「ブランドの成長には、4Pのどれが最も効果的か?それはなぜか?」

これに対し、仮屋さんはメンタルアベイラビリティの観点から、「まずはPromotion(販売促進)」と回答。次点でPlace(流通)を挙げ、Product(商品)とPrice(価格)も重要だが、あくまでも必須要件だと考えたと述べた。

イメージ

どれが最も重要?

「薄く広いパーセプションを獲得することがブランドの成長に必要であると考えると、そこに寄与するのはPromotionだと思いました。ただ、CEP(カテゴリーエントリーポイント)の獲得という面で見れば、Productとの整合性は絶対に必要になりますので、回答には迷いました」(仮屋さん)

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芹澤 連(日本エビデンスベーストマーケティング研究機構(EBMI)研究主幹/コレクシア執行役員)
芹澤 連(日本エビデンスベーストマーケティング研究機構(EBMI)研究主幹/コレクシア執行役員)

マーケティングサイエンティスト。数学/統計学などの理系アプローチと、心理学/文化人類学などの文系アプローチに幅広く精通。非購買層やノンユーザー理解の第一人者として、消費財を中心に、化粧品、自動車、金融、メディア、エンターテインメント、インフラ、D2Cなどの戦略領域に従事。エビデンスベースのコンサルティングで事業会社の市場拡大を支援する傍ら、執筆や講演活動も行っており、企業研修などの講師を務める。著書に『顧客体験マーケティング』(インプレス)、『“未”顧客理解:なぜ「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』『戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 エビデンス思考で見極める「事業成長の分岐点」』(日経BP)。
日本マーケティング学会員。日経クロストレンドアドバイザリーボード。海外論文を読むのが日課。猫好き。

芹澤 連(日本エビデンスベーストマーケティング研究機構(EBMI)研究主幹/コレクシア執行役員)

マーケティングサイエンティスト。数学/統計学などの理系アプローチと、心理学/文化人類学などの文系アプローチに幅広く精通。非購買層やノンユーザー理解の第一人者として、消費財を中心に、化粧品、自動車、金融、メディア、エンターテインメント、インフラ、D2Cなどの戦略領域に従事。エビデンスベースのコンサルティングで事業会社の市場拡大を支援する傍ら、執筆や講演活動も行っており、企業研修などの講師を務める。著書に『顧客体験マーケティング』(インプレス)、『“未”顧客理解:なぜ「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』『戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 エビデンス思考で見極める「事業成長の分岐点」』(日経BP)。
日本マーケティング学会員。日経クロストレンドアドバイザリーボード。海外論文を読むのが日課。猫好き。

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