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販売・接客の現場で活躍する、キーパーソンに迫る本企画。今回は、海外からの観光客も多く来店する@cosme TOKYOで働く、ウトン光恵氏に取材。多数のブランドやアイテムを取り扱う大規模な化粧品専門店で、店舗とオンラインの両方で活躍するウトンさん。日々、新たな美容体験を提供する接客術に迫った。
■今月のキーパーソン
@cosme
美容部員スタッフエキスパート
ウトン光恵氏
2016年にコスメネクスト(現アイスタイルリテール)に入社。@cosme STORE都内4店舗を経験し、現在スタッフエキスパートとして@cosme TOKYOで接客とオンラインで活躍しつつ、メディア出演など行う。得意分野は、顔立ちに似合うメイク提案やお悩みに合わせたスキンケア提案。
店舗での接客を「やめたくない」理由
━━接客の仕事に携わり始めたきっかけをお教えください。
きっかけは、2016年にアットコスメのアルバイトに募集したことでした。
幼い頃から母親の化粧品を使うような子どもだったので、長らく美容には興味がありました。学生時代も、美容の専門学校に通いながら、化粧品に関わる仕事をしたいなという思いがありましたね。
アットコスメではレジスタッフとしてキャリアをスタート。現在は、販売販促事業ユニットに所属し、店舗での接客に加えて、ライブショッピングでの販売やコンテンツ配信にも携わっています。
━━オンラインでの発信も活発ですが、店頭での接客を続けるのは理由があるのでしょうか。
オンラインでの販売活動を続けながら、週に2回は店頭での接客業務を続けるようにしています。店頭での接客のプロセスが、オンライン接客の基盤となるためです。
というのも、オンラインではコメントやアクションマークを通じてしかお客さまの反応を把握することができません。ただ、店舗では直接お客さまの表情や反応を確認でき、より深いコミュニケーションが可能ですよね。このリアルな体験から得られるリアクションは、オンライン接客にも活用できると考えています。
例えば、店頭で得られるお客さまのライフスタイルやお悩みへの理解が、オンラインのコンテンツ作成に役立ったり、実際の接客での説明方法やコミュニケーションの工夫がオンラインの商品説明に応用できるんです。また、店舗でのお客さまの反応を見ながらオンラインでの情報発信の方向性を見直すこともできます。
リアルな声を直接聞ける貴重な場として、店舗での接客は今後も大事にしたいです。
3月5日にリニューアルオープンした同店。百貨店ブランドからプチプラ、メンズコスメや海外のブランドまで約700ブランド、2万5千SKUが揃う。「気になるアイテムはまず自分の肌で試しています。自分の使用感は接客時に活用することも多いです」とウトンさん。
グローバル化する接客現場 個々に合わせた質問力が鍵に
━━原宿という立地もあり、海外からの来店者も多いです。接客において意識しているポイントはありますか。
お客さまの生活環境に関する情報は、積極的に質問することで掘り下げるよう心がけています。質問にこだわる理由は、海外からのお客さまが、以前は「目的買い」中心だったのに対して、最近は翻訳機能を活用して商品情報を自ら確認したり、より詳細なカウンセリングを求める傾向にあるためです。
会話では翻訳ツールを活用しながら、お客さまの居住地の気候や生活環境、スキンケアの習慣など、お話ししないとわからない情報を聞くようにしています。その情報を踏まえて、肌の状態を確認しながら、最適な商品を提案します。違うのは言葉だけで、接客としての心がけは、国内のお客さまであっても観光客のお客さまでも同じです。
実際に、ある海外からのお客さまが一人で来店された後、翌日にはご家族を連れて再来店されたことがありました。短い時間ではあるものの、丁寧なカウンセリングが信頼につながったと実感した経験でしたね。
カウンセリング後は、実際に商品をタッチアップすることも多い。肌の悩みや肌質、生活環境に合わせて、数あるブランドから最適な商品を提案する。
━━信頼される販売員になるためには、どんな心構えが必要だと思いますか。
私が大切にしているのは、お客さまにとって価値のある体験や時間を提供することです。
この意識は、単に商品を売るのではなく、その人にとって本当に必要なものや心地よい体験を提供したいという想いから大切にしているものです。これが大前提にあるため、当社のフィロソフィーにもある「生活者の視点」は重要だと思っています。
特に意識しているのは、私たちの言葉が押し付けがましくならないよう注意すること。無理に商品を勧めるのではなく、時には待つ姿勢を持つことで、お客さまが自発的に選べるような環境づくりを心がけています。
美容に関するお悩みは一人ひとり異なると思いますが、その中で最適な解決策を共に考え、目の前のお客さまにとって最良の選択肢をサポートできることが、私にとって一番の喜びですね。
━━今後の展望を教えてください。
ライブショッピングも多くのお客さまに見ていただいており、オンライン上での顧客接点もさらに増やしていきたいところです。デジタルツールを活用し、リアル店舗での接客と同じように、お客さまに寄り添ったサービスを提供できるよう、工夫していきたいですね。
また、ブランドとの出合いを生み出す「架け橋」のような存在になることは引き続き目指しています。“コスメのテーマパーク”である当店で、お客さまが新しいブランドと出合い、自分にぴったりの商品を見つける手助けをすることが、今後の目標でもあります。
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