日本アドバタイザーズ協会(JAA)は、4月22日に2025年度事業説明会/記者会見を行った。川村和夫理事長(明治ホールディングス代表取締役社長)、中島聡専務理事の他、各委員会委員長やプロジェクトリーダー、代表幹事が参加し、各プロジェクトの活動方針が説明された。
中島聡専務理事からは今年度のJAAの運営指針が説明されたが、そのなかで同日に公開された「日本アドバタイザー協会 広告の定義」についても言及した。
今回の広告の定義は、前段「広告業界の現状、およびアドバタイザーが広告を定義するに至った運び」、第一文「広告の定義」、第二文「アドバタイザーの宣言」から構成される。
今回の定義、ならびに発表に至った背景としてJAAでは「広告の存在感が薄まりゆく状況の中、業界は今一度広告の本質に立ち戻り、生活者に寄り添い、信頼創造に向けた改革を進めていくことが求められている」、「様々な立場の人々の人権を尊重することで、人々が自らの可能性を拡げ、より幸福な生活を送れることに資する広告が、今こそ必要とされている」との考えから、今後の広告の望ましい姿とアドバタイザーが果たすべき役割について宣言するに至ったという。
説明に立った中島聡専務理事は「人々の幸せを増大する、誰一人取り残さないものであることが、広告の大義であると考える。こうした広告の根っこに立ち返り、どうしたらお客様に寄り添い、信頼を醸成できるのかを考え、定義を策定するに至った」と話した。
第一文:【広告の定義】は以下の通り。
日本アドバタイザーズ協会は広告および広告活動を次のように定義する。
アドバタイザーは企画・制作・表示などの役割を担う事業者と協力しながら、必要な費用を投じて、無形有形の要素から成るメッセージを作り上げるとともに、生活者に向けてメディア上で発信し、その意識や行動に働きかける。(内容)
そして、広告活動はアドバタイザーの経営戦略・事業戦略の一環として、自らの価値提案をすることで生活者に便益をもたらすために行われる。(目的)
すなわち広告とは、以上のような内容と目的を特徴とする、情報の送り手と受け手の双方にとって有益なコミュニケーション活動およびその成果物のことである。
また、第二文:【アドバタイザーの宣言】は以下の通り。
われわれアドバタイザーは、広告が公益性の一端を担うものであることをここに確認する。
それゆえ、広告は、表現においては創造的でありながら健全かつ信頼に足るものであり、制作・発信においては生産的でありながら適正かつ透明なものであるべきと考える。
そして、この理念のもと、すべての人々の人権を尊重し、広告を取り巻く環境がより良く、より豊かになっていくよう努める。
以上のことに鑑み、われわれアドバタイザーは、広告によって生じる影響や効果を通じて生活者との間に好ましい循環を生み出し、社会と文化の持続的発展に貢献するものとする。
