石川県の能登で2026年7月7日、「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」が開港した。のと里山空港を2029年9月末までの期間限定でリニューアルするもので、ポケモンの名を冠した世界初の空港として注目を集めている。
のと里山空港とポケモンの事例のように、空港は、移動のために通過する場所から、地域の魅力を伝える入口へと変わりつつある。キャラクターやマンガ・アニメのIPと結びついた空港は、ファンにとって旅の目的地そのものにもなり得る。
こうした「空港×IP」の先行事例といえるのが、鳥取県の取り組みだ。同県には、県東部の空の玄関口「鳥取砂丘コナン空港」と、県西部・山陰の空の玄関口「米子鬼太郎空港」がある。キャラクター名を冠した空港を2つ有する都道府県は、全国で鳥取県だけだという。
鳥取砂丘コナン空港 ©青山剛昌/小学館
米子鬼太郎空港 ©水木プロダクション
鳥取県が空港の愛称にキャラクターを取り入れてきた理由
鳥取県では、早くから空港の愛称に地域ゆかりのキャラクターを取り入れてきた。県の担当者によると、米子鬼太郎空港の愛称化は平成22年度、鳥取砂丘コナン空港の愛称化は平成26年度に実施された。
その狙いについて、鳥取県は次のように話す。
「平成22年度に米子鬼太郎空港を、平成26年度に鳥取砂丘コナン空港を愛称化しました。全国での知名度を高め、空港利用の活性化と観光誘客を図る目的で進めてきたものです」(鳥取県・担当者)。
鳥取砂丘コナン空港では、「名探偵コナン」の装飾やフォトスポット、ナゾ解きラリー、館内放送などを展開。2018年7月には、国内線ターミナルと国際線ターミナルを一体化した空港ビルのグランドオープンにあわせ、コナン装飾を大幅に拡充した。
2018年鳥取砂丘コナン空港 リニューアルグランドオープン時
一方、米子鬼太郎空港では、「ゲゲゲの鬼太郎」にちなむ装飾やトリックアート、ベルトコンベア上の目玉おやじ、フォトスポット、天井画などを展開している。単に空港名にキャラクターを付けるだけでなく、到着した瞬間から作品世界に触れられる体験をつくってきた点が特徴だ。
米子鬼太郎空港(鳥取県・境港市)。主な観光導線:境港、水木しげるロード、皆生温泉、大山、米子市など。特徴は、「ゲゲゲの鬼太郎」にちなむ愛称を持ち、トリックアート、ベルトコンベア上の目玉おやじ、フォトスポット、天井画などの装飾を展開。鳥取県西部・山陰エリアの玄関口であり、国内外からの広域周遊観光の起点。
IPは「旅先を選ぶ唯一無二の特徴」になる
観光地の誘客において、IPはどのような役割を果たすのか。鳥取県は、一般的な観光資源にはない強みとして、旅先選びにおける差別化を挙げる。






