プロサッカーのJリーグは7月6日、2026~27年シーズンが8月7日に開幕するのを前に、30周年を迎えるポケモンとのタイアップ企画「EVOLUTION!~Jリーグは、進化する。~」を発表した。8月から9月にかけて行われる対象試合で、各クラブに設定された「クラブパートナーポケモン」をデザインしたエコバッグ「EVO BAG」を100万人に配布するほか、関連イベントも予定している。
提供:Jリーグ ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. TM, ®, and character names are trademarks of Nintendo.
2026/27シーズンは、Jリーグにとって大きな転換点となる。J1(1部)は8月7日、J2(2部)、J3(3部)は同8日に開幕する。J1は翌年6月、J2、J3は同年5月に最終節を迎える。従来の春開幕から8月開幕へ移るシーズン移行は、ファン・サポーターやサッカー関係者にとって大きな変化だ。一方、一般の生活者には、開幕時期が変わる意味や背景まで伝わりにくい。
Jリーグは、ワールドカップで日本代表への関心が高まった直後に新シーズンの開幕を迎えることを踏まえ、2023年12月のシーズン移行決議以降、一般層に新開幕をどう届けるかを2年以上かけて検討してきた。その回答の一つが、ポケモンを象徴する「進化」と、Jリーグが目指す変化を重ねることだった。
制度説明ではなく、「進化」を届ける
特設ページのトップに掲出された「新開幕の理念」 提供:Jリーグ ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. TM, ®, and character names are trademarks of Nintendo.
Jリーグ執行役員兼マーケティング事業本部長の鈴木章吾氏は、シーズン移行について「サッカー界からすると大きな変革だが、サッカーの外側にいる生活者には、目的や開幕時期が変わることの認知がまだ足りていない」と話す。
そこで、移籍市場や試合日程といった制度の細部を説明する前に、まず「Jリーグは進化する」というメッセージを打ち出した。ポケモンが持つ「進化」のイメージを借りることで、新開幕を一般層にも直感的に伝える狙いだ。
Jリーグが掲げる「進化」は、世界と肩を並べるリーグとなるための競技面とビジネス面の変化を指す。前者は、夏場の厳しい環境での試合を減らし、選手が良いコンディションで戦える期間を増やすこと。後者は、欧州リーグのカレンダーに近づくことで、海外移籍市場との接続を強めることだ。
ただし、こうした制度上の細部を、一般の生活者に一度に理解してもらうことは難しい。2つの変化を、生活者にはまず「Jリーグは進化する」という言葉で届ける考えだ。
特設ページでは、「Jリーグは進化する」というメッセージを前面に出した。マーケティング部の荻野駿氏は、ポケモンファンの閲覧者が離脱するリスクがある中でも、最初に新開幕の理念に触れてもらうことを重視したという。各クラブのSNSでも、「進化する」という言葉をそろえて発信した。
60クラブでなければ意味がない
今回のタイアップは、J1だけでなく、J2、J3を含む全60クラブで実施する。
荻野氏は、全60クラブで展開することについて「Jリーグのアイデンティティ」と説明する。Jリーグは、全国の地域とクラブの結びつきを軸に成長してきた。J1の20クラブだけで展開する方法もあり得るが、新開幕という節目に「60クラブすべてが進化する」と伝えるには、全クラブでそろう必要があった。
発表後の初速にも、その意義は表れた。Jリーグ、クラブ、ポケモンの公式アカウントによる投稿の表示回数は、2日間で約4600万回に達したという。このうち約3000万回は、60クラブによる投稿の積み上げだった。リーグだけで発信するのではなく、各クラブがそれぞれの地域を背負って発信したことが、広がりを生んだ。

