管理職はフィードバックを活かせているか―受け取る・提供する、その実態と課題

テクノロジーの進化や働き方の多様化など、人材・組織を取り巻く環境はかつてないスピードで変化しています。本連載では、そうした変化の実態をデータで読み解き、これからの人材マネジメントのヒントを探っていきます。前回までにご紹介してきた調査では、管理職が高い負荷のもとで働きながらも、「部下の成長」にやりがいを見出している姿が浮かび上がりました。限られた時間の中で部下育成を実現するための重要な手段として、今回は「フィードバック」の実態に迫ります。

管理職の6割超が、同僚・部下からのフィードバックを「役立っている」と感じている

リクルートマネジメントソリューションズが2025年に実施した「職場におけるフィードバック実態調査」では、管理職・一般社員それぞれに、上司および同僚・部下からのフィードバックの受け取り状況を尋ねました(図表1)。

上司からのフィードバックについては、管理職・一般社員ともに「良い点についてのフィードバックをくれる」が管理職56.9%・一般社員54.3%、「悪い点についてのフィードバックをくれる」が管理職59.7%・一般社員56.0%と、いずれも両者の間に統計的な有意差は見られませんでした。一方、同僚・部下からのフィードバックに目を向けると、「良い点について」が管理職50.8%・一般社員49.2%、「悪い点について」は管理職47.2%・一般社員43.8%と、上司からに比べてやや少なくなっています。「悪い点について」は、管理職・一般社員ともに「同僚・部下から」が「上司から」より有意に少なく、得られている人は半数に届きません。

<図表1>上司からのフィードバック・同僚‐部下からのフィードバック(管理職・一般社員別)写真 図

※数値は、「6. とてもあてはまる」「5. あてはまる」「4. ややあてはまる」「3. あまりあてはまらない」「2. あてはまらない」「1. まったくあてはまらない」の6段階評価のうち、「6」~「4」の選択率を合算したもの。
※カイ二乗検定、マクネマー検定を行い、統計的に有意差がある項目に印(*** p<.001、* p<.05)。

 
管理職と一般社員の間に統計的に有意な差が少ない中で、一つ目立つ項目があります。「同僚・部下からのフィードバックは役立っている」は、管理職66.1%に対して一般社員58.2%と、管理職の方が有意に高い数値を示しました。受け取れている量は一般社員と変わらないにもかかわらず、管理職はその価値をより高く評価しているということになります。

ここから見えてくるのは、管理職が同僚や部下からのフィードバックを重要な情報源として必要としているという実態です。前回の調査でも「今後検討しているサポート」として「多面評価などで部下からフィードバックを受ける機会」が挙げられていましたが、このデータはその必要性をあらためて裏付けるものといえるでしょう。管理職が部下や同僚から率直なフィードバックを得られる仕組みを整えることは、人事として検討に値するテーマと言えそうです。

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データから読み解く人財トレンド
石岡由紀子(リクルートマネジメントソリューションズ 営業統括部営業推進部 マーケティンググループ マネジャー)

ITコンサル担当を経て、2004年リクルートマネジメントソリューションズ入社。ソリューションプランナー、公開研修サービスの事業開発、プロモーション職を務める。現職ではWEBサイトを通じて人事、人材開発担当者や働くビジネスパーソンがやりがいを持って働くための情報発信に取り組む。

石岡由紀子(リクルートマネジメントソリューションズ 営業統括部営業推進部 マーケティンググループ マネジャー)

ITコンサル担当を経て、2004年リクルートマネジメントソリューションズ入社。ソリューションプランナー、公開研修サービスの事業開発、プロモーション職を務める。現職ではWEBサイトを通じて人事、人材開発担当者や働くビジネスパーソンがやりがいを持って働くための情報発信に取り組む。

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