岐阜県関市の老舗包丁メーカー、三星刃物がXに投稿した製造動画が大きな反響を呼んでいる。同社は7月10日、職人が自社ブランド「和NAGOMI」の包丁を仕上げる様子を公開。「海外でほぼ作って、刃付けだけやって『日本製』としている包丁もありますが……」と前置きした上で、「日本製どころか『関製』と言いたいくらい」と、関市の職人が手作業で製造していることを訴えた。
職人が手作業でハンドルを磨く「和NAGOMI」シリーズ
同社の7月17日の発表によると、投稿は5.6万件のいいねと8400件を超えるリポストを集めた。投稿前に約260人だったフォロワー数も、3日間で3800人を超えた。
三星刃物は1873年創業。2026年1月にXの公式アカウントを開設し、約半年にわたり投稿を続ける中で、今回の動画が大きく拡散した。SNS運用代行サービスは利用せず、XやInstagram、YouTube、noteを社内で運用している。
海外でほぼ作って、刃付けだけやって「日本製」としている包丁もありますが…。
日本製どころか「関製」と言いたいくらい、関の職人が手作業で丁寧に仕上げています。
国産製品バズに乗りたい。 pic.twitter.com/cnoVTNr4Ss
— 三星刃物株式会社【公式】岐阜県関市 (@mitsuboshi1873) July 10, 2026
同社はXへの投稿後、同日公開したnoteで「和NAGOMI」の製造工程を詳しく紹介した。
関の刃物づくりは、複数の企業や職人が工程ごとに作業を担う分業制が基本だという。和NAGOMIも、プレスによる型抜き、1060度での焼き入れ、マイナス75度まで冷却する「サブゼロ」、歪み取り、研削などを関市内の複数企業が担当する。ブレードやハンドル材などの部品を組み合わせる段階から、三星刃物の社内工程となる。
製造工程を「見せる広告」へ
製造工程を見せる効果は、商品のつくり方を説明することだけにとどまらない。味の素冷凍食品は2020年10月、冷凍餃子が完成するまでの144工程を動画で紹介し、メーカーが家庭に代わってかけている「手間」を可視化した。動画は同年11月2日時点で90万回以上再生され、SNSでは同社の研究や取り組みを評価する声も寄せられた。同社の担当者は、生活者が同社を以前より身近に感じている様子があったと振り返っている。
