7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、自治体(宇城市と氷川町)で最大震度7を観測した。大規模な地震が発生した直後、企業の広報担当者は何を確認し、どのような情報を発信すべきなのか。広報や災害情報の専門家が示してきた対応と、過去の防災訓練の事例から整理する。
地震発生時の広報対応(ChatGPTにより作成)
被害の全容が分かるまで発信を待たない
災害発生直後、企業には従業員の安否や施設の被害、生産、物流、営業への影響など、複数の情報を同時に確認する必要が生じる。一方、道路や通信の状況によっては、すべての拠点から情報を集めるまでに時間がかかる。
元日本経済新聞記者でジャーナリストの松林薫氏は、発災直後には報道機関から、施設や工場の被害、生産、物流への影響などについて問い合わせが寄せられる可能性を指摘する。特に地域経済に与える影響が大きい企業や工場では、建物の外観に目立った被害がなくても、生産や出荷を継続できるのかが問われるという。
問い合わせに十分な情報を提供できれば、報道を通じてデマや臆測が広がることを防ぐことにもつながる。上場企業の場合は、報道機関への対応だけでなく、事業や業績への影響を投資家に伝えるIR部門との連携も必要になる。
松林氏の指摘を踏まえると、被害の全容が判明するまで情報発信を控えるのではなく、現時点で確認できていることと、確認中のことを分けて示すことが重要になる。
第一報では、従業員や来訪者の安否、施設の被害、営業や生産、物流、サービスへの影響について、確認できた範囲を伝える。人的被害や施設への影響を把握できていない段階では、「被害はない」と断定せず、「現在確認中」とする必要がある。
詳細をすぐに公表できない場合も、確認を進めている対象や、次回の更新予定を示すことで、企業が状況を把握しようとしていることを伝えられる。第一報を出した後も、新たな事実が判明するたびに情報を更新することが求められる。
通信や道路の寸断に備える「プランB」
松林氏は、道路網や通信網が寸断され、通常の確認・連絡ルートが使えない場合に備えた「プランB」が必要だと指摘する。
