博報堂は7月7日に開いた「メディア環境研究所フォーラム2026」で、2010年以降に生まれた「α世代」の情報環境と生成AIの利用実態を発表した。全国の小学1年生から中学3年生まで1500人を対象とした調査と、生成AIを利用する小中学生8人へのインタビューから、動画やSNS、ゲームを横断するメディア利用と、生成AIを使って興味や人間関係を広げる姿が見えてきた。AIにすべてを委ねるのではなく、主役は自分、AIは自分を拡張するサポーターという距離感も特徴となっている。
テレビで流れるのは放送よりYouTube
「こどもの情報圏~AIネイティブとしてのα世代の情報環境」と題したセッションでは、メディア環境研究所の野田絵美上席研究員と朝本美波研究員が登壇した。調査ではα世代を2010年以降に生まれた世代と定義し、Z世代や30代から60代とも比較した。
野田上席研究員によると、α世代はテレビ、スマートフォン、ゲーム機、タブレットという4つのスクリーンに囲まれている。テレビ画面でも放送や録画だけでなく、YouTubeなどの無料動画やゲーム、ショート動画を視聴する。テレビ画面で最も見るものはテレビ放送が1位だったものの、回答は半数を下回り、YouTubeなどの無料動画を最も見る人が4人に1人に上った。
スマートフォンやタブレットに初めて触れる時期も早い。Z世代は中学、高校の時期が中心だったのに対し、α世代では1~3歳が目立つ。自分のスマートフォンを持ち始める人は小学4年生ごろから増え、小学6年生の卒業間近には7割、中学生になるとほぼ1人1台となる。スマートフォンでは写真撮影、無料動画、検索、ゲーム、ショート動画など、エンターテインメントを中心に利用していた。
左から朝本研究員、野田上席研究員
ヨコ動画は「いつもの」、タテ動画は「知らない流行」
α世代は、フォローやアルゴリズムによって自分の興味に合う情報が自然に届く環境で育ってきた。新しいことに興味を持つきっかけを聞くと、Z世代でSNSが目立ったのに対し、α世代ではYouTubeなどの無料動画、人の話、テレビ番組、タテ型ショート動画、外出先のイベントや展示会など、多様な接点が挙がった。
