サントリービバレッジ&フードが3月24日に発売した新商品「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」が、発売150日で累計出荷本数1億本を突破した。同社が令和以降に発売した飲料新商品の中で最速の記録となる。同社によると、通常の新商品における発売1年後の平均認知率が約30%にとどまる中、発売わずか5カ月で異例の「認知率62%」を達成した。
健康志向が高まる飲料市場において、あえて真逆のベクトルに振り切ったNOPEは、いかにして若年層の心をつかみ、メガヒットに至ったのか。これまでの動向とマーケティング戦略を紐解く。
若者の炭酸離れに挑む、14年ぶりの大型新ブランド
「無糖」などに代表される健康飲料が主流となる中、同社はあえてその対極にあるアンチテーゼとして、現代人のストレス社会における「ギルティ消費(後ろめたさを感じつつも、つい自分を甘やかしてしまう消費行動)」に着目。一般的な炭酸飲料よりも糖度を高め、99種類以上のフルーツやスパイスのフレーバーを重ねた「甘濃い」味わいによって、背徳感を楽しめるよう若年層を強く意識して設計された。
パッケージデザインも特徴的で、ブランドの世界観を強く打ち出す重要な要素となっている。炭酸飲料の棚では見かけないブラック&マゼンタというカラーリングを採用し、モザイクをかけて
も識別できるほどの記号化を目指したという。
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ネットミームとして盛り上がったCM
ミームで話題化したテレビCM「ギルティ監獄」篇
発売直後から話題を牽引したのは、SNSでの爆発的な拡散だ。生田斗真、鈴鹿央士、アントニーらが囚人服を着て欲望のままに商品を飲むテレビCMは、そのコミカルな世界観からX上でユーザーによる“大喜利”のような投稿が相次ぎ、ネットミーム化した。
さらにSNS上では、その独特な味わいも話題の的となった。「もう何味なのか分からない」など、賛否が分かれる一方で、「何だこれヤベェ味がする。ハマるかも」と中毒性に言及する声も続出。味に対する独自の感想や考察が盛んに交わされた。
直接飲用にとどまらず、「NOPEはどのお酒と割ってもおいしい」「アイスと合わせると最高」「調味料としても使える」といった消費者発信の“酒割報告”やアレンジレシピが自然発生的に広がった。
同社は、味わいへの賛否やCMをめぐる “大喜利” 的な話題化について、一定の反応は想定していたものの、ここまで大きな反響になるとは見ていなかったという。
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自販機ジャックと“投げ売り”の陰謀論すらも計算通り
プロモーション手法も独特の路線を貫いた。サントリーの代名詞ともいえる「BOSS」自動販売機のロゴを、「NOPE」で強引に“上書き”する大胆なジャック施策を実施。SNSでは街中での発見報告が相次ぐなど、CMに続いてユーザー起点の盛り上がりを見せた。



