菓子メーカーのブルボンが、博物館を対象にデジタル面での支援を展開している。博物館や美術館は人員、財政、設備など多くの課題を抱えるが、デジタル技術を開発・導入することは難しい。そうした施設を支援しようと、「博物館サポートツール」として、来館者分析や音声ガイドシステムなどのツールを無償で提供。菓子メーカーと博物館という意外な組み合わせだが、博物館が負担を減らしながら運営を継続できるよう支援する狙いだ。
ブルボンはCSR活動の一環として文化やスポーツを支援し、日本文学・日本学者のドナルド・キーン氏を顕彰する「ドナルド・キーン・センター柏崎」(新潟県柏崎市)を管理・運営している。今回博物館支援の取り組みを担う同社の地域文化デジタル支援室の担当者も、同センターで学芸員として勤務したことがあり、課題解決の一助を目的に来館者調査の研究に取り組んできた経験を持つ。
博物館を巡る厳しさも、今回支援の理由だ。文化庁によると、国内には5700以上の博物館があるとされる。日本博物館協会の「令和6年度『日本の博物館総合調査』調査結果の概要(速報版)」で4368の博物館に調査したところ、展示の理解を促進する方法の導入としてパンフレットが多く取り入れられており、人による解説ツアーなども導入されているが、音声ガイドやタブレット端末の導入は1〜2割台と低く、デジタル化は進んでいない。
また、抱える課題として、「ウェブサイト等での資料情報公開が不十分」と回答した館が80.0%、「資料や資料目録のデジタル化ができていない」が78.7%と、館としてもデジタル化が進んでいないことを実感している実態が見える。特に小規模な施設では、人員や財政が十分でなく、デジタル技術を採用しての負担軽減を期待するものの、技術の開発や導入のハードルが高いのも実情だ。
Unsplash/kevin laminto
ブルボンでは、工場IoTやDX推進にあたり、ライセンスに基づいてソースコードの利用・改変・再配布などが認められたオープンソースソフトウェア(OSS)を積極的に活用。同社の工場IoTとDXを実現したOSSでブルボンが培った技術やノウハウの社会への還元先として、博物館を選択。公営、民営などの制限せず、対象は幅広く設けている。
