博報堂生活総合研究所では2010 年8 月より、全国のお母さん・お父さんとの対話を通じて日本の子育て環境の課題解決に貢献できる “次世代の母子健康手帳のカタチ” を造るプロジェクト、「日本の母子手帳を変えよう」を実施している。
核家族化、共働き世帯の増加、小児科医不足、産後うつの問題など、日本の母子を取り巻く育児環境は急激に変化し、新たな社会課題が浮上している。これらの課題解決に、全てのお母さんに配布される母子健康手帳は、貢献できる可能性があるはずだ。
インターネット、ソーシャルメディアを通じて全国から寄せられた声、医療関係者、お父さんお母さんへのインタビュー、日本と世界の先進的母子健康手帳のケーススタディを通じて得られた発見やアイデアをベースに研究を進め、新たに開発した、新・母子健康手帳(通称 : 親子健康手帳)が 2011年 3 月に完成した。
この新・母子健康手帳は 2011 年 4 月より、島根県海士町、栃木県茂木町にて、使用開始されている。現在、新・母子健康手帳を実際に使用し、その使い勝手を検証していただけるモニター自治体を募集している。
使用していただいた結果、新たに見つかった検討ポイントを考慮し、2012 年に予定されている厚生労働省省令様式の変更に合わせて、さらなる改良を重ね普及を目指す。
「日本の母子手帳を変えよう」プロジェクト概要
概要
全国の父母とウェブサイトを通じたオンライン上の対話および自治体の協力によるリアルな対話(インタビュー)を通じて母子健康手帳の現状を把握し、今の時代に必要なデザインや機能を研究し、プロトタイプを作り上げ、実用化・普及を目指します。
プロセス
2010.10 [発見] 現状の母子健康手帳の活用方法、子育て事情を数千人対象に調査
公式サイトを開設 。 生活者の育児と母子健康手帳に関する様々な声を収集、母子健康手帳の新しいコンセプトを導き出しました。今の母子健康手帳に関することから、改善のアイデアまでテーマごとに 1 日 1 問の質問を投げかけました。投稿内容、生活者の議論はリアルタイムでウェブサイト上で閲覧可能です。同時に、協力自治体にて母(父)参加のワークショップを開催しました。
2010.12 [造形] 調査結果に基づく、新・母子健康手帳のプロトタイプを制作
2011.02 [検証] プロトタイプの評価・検証(父母、医師、保健師等より)
2011.04 [実用化] 完成した新・母子健康手帳の実用化・普及
島根県海士町、栃木県茂木町にて、実用化が決定しております。そのほか、全国各地の自治体からの参加を募集しております。
ウェブサイト
@MAMAsNOTE(twitter アカウント)
全国の生活者から寄せられたアイデアや世界のユニークな母子健康手帳などを紹介中
運営体制
主催 博報堂生活総合研究所
協力 株式会社オールアバウト 妊娠・出産・育児 WEB マガジン「チビタス」
株式会社 studio-L
NPO 法人 HANDS
放課後 NPO アフタースクール