文藝春秋は26日、電子小説誌『つんどく!』を発売する。紙版の雑誌を電子化して配信するケースはあったが、電子書籍版のみの雑誌を発行するのは、ジャンルを問わず同社で初めて。
誌名の『つんどく!』の由来は、買った本を読まずに積んでおく、いわゆる「積ん読」ではなく、タブレットやスマートフォン、電子書籍端末の画面を「指でつんつんして読んでください」、という意味。創刊号は2大特集として、「ミステリー2013」「新人発掘プロジェクト 第1期全員競作!」を掲げ、東川篤哉、有栖川有栖、歌野晶午、貫井徳郎氏ら人気作家による計17作の読みきり小説、コミックエッセイを掲載する。
「新しく、若い才能を発掘したい。そして、その才能を育てたい」という狙いから、一昨年の夏より原稿の公募をスタートした新人発掘プロジェクトからも、多彩な作品がそろう。
以下、『つんどく!』執筆者 貫井徳郎氏コメントと、同誌編集長 吉田尚子氏のコメント。
『つんどく!』執筆者/貫井徳郎氏コメント
「小説誌は電子書籍で出して欲しいと思っていた。毎号買うと場所を取るし、短い作品がたくさん載っている小説誌こそ常に持ち歩いて隙間時間に読みたいからだ。『つんどく!』は紙の本ならかなり分厚くなると思う。でも電子書籍だから、いつでもどこでも読める。これは嬉しい」
『つんどく!』編集長/吉田尚子氏コメント
「今回、電子雑誌を創刊しましたが、これは紙の雑誌や単行本を否定しているわけではありません。ここに掲載された作品は、いずれ、紙の単行本として世に出て行くものばかりです。電子、紙という色分けではなく、一人でも多くの読者に「小説」の面白さを伝えたい。『つんどく!』は、小説と読者との出会いの場を確実に変えていくと期待しています」
同社では、「この創刊を機に、従来の小説読者のだけではなく、広くスマートフォン・タブレット端末ユーザーに向けて、ちょっとした空き時間に、小説を“つんどく”して楽しむという新しいライフスタイルを提案していきたい」、としている。
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