社会のためになる消費(3)自然と人をつなぐ新しい消費のあり方

社会のためになる消費(1)(2)に引き続き、『環境会議』2013秋号「社会のためになる消費」特集の一部をご紹介します。

取材協力
林 民子 ダブルツリー 代表取締役、NPO法人ソーシャルコンシェルジュ代表理事
四井 真治 パーマカルチャーデザイナー、土壌管理コンサルタント


いつの頃からか、日本でも社会貢献活動に「セレブ」なイメージが伴うようになった。TAKE ACTION FOUNDATIONの代表理事を務める中田英寿さんや国連WFPのオフィシャル・サポーターを務める知花くららさんをはじめ、プロスポーツ選手や有名人が社会貢献活動をサポートすることも珍しくない。

しかし、ほんの数年前まで、日本では社会貢献活動といえば「隠匿の美」。環境保護活動や障害者支援などに関わっていることをあまり大っぴらにしたがらない人のほうが多数派だった。そんな風潮が変わってきた背景には、国際的に活躍するスポーツ選手が増えたことなど、いろいろなファクターがあるが、草の根の活動に取組んできたパイオニアたちの存在も見逃せない。

NPO法人ソーシャルコンシェルジュの理事、林民子さんもその一人だ。最先端のファッション業界で、エシカル・ファッションの特集企画をはじめ、消費サイドからの「社会貢献」を啓発してきた。


7月27日に行われた日本型パーマカルチャーを学ぶ「Food Forest Club 八ヶ岳プロジェクト」では、畑での野菜の収穫と次のシーズンの種まきを行った。

畑での作業の後、木漏れ日の下でランチ。持続可能な農業や日本の未来についての話に花が咲く。

2010年からは、エシカルな要素と商品力のバランスの良いアイテムを取り揃えたセレクト・ショップ「DoGood,BeHappy!」をプロデュース。ビジネスの力で中国の辺境に住む少数民族の人道支援、貧困解決を目指し、チベット族の宝であるヤクの毛に特化したニット・ブランド「SHOKAY」を展開し、日本のエシカル・ファッション市場をリードしている。
「今から5~6年ほど前から、スーパーモデルやハリウッド・スターなどのあいだで“エシカル”は当たり前になり、それと同時に一般の人の関心も高まり、ファッション誌の特集でもヒットにつながってきています。エシカルなコンセプトにファッション性やクオリティの良さが伴った商品開発が進んでいます」(林さん)

>>次ページ 生産者を支援しながら交流を楽しむ世界的トレンド

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