文化庁メディア芸術祭、大賞はSound of Honda、ジョジョリオンほかに決定

第17回文化庁メディア芸術祭の受賞作品、および功労賞受賞者が決定した。

エンターテインメント部門大賞を受賞した菅野薫氏、保持壮太郎氏、大来優氏、キリーロバ ナージャ氏、米澤香子氏、澤井妙治氏とマンガ部門大賞を受賞した荒木飛呂彦氏。


アート部門大賞『crt mgn』Carsten NICOLAI ©2013 Carsten Nicolai. All rights reserved. Photo : Uwe Walter Courtesy Galerie EIGEN + ART Leipzig/Berlin and The Pace Gallery

エンターテインメント部門大賞を受賞したのは、「Sound of Honda/Ayrton Senna 1989」(作者:菅野薫、保持壮太郎、大来優、キリーロバ・ナージャ、米澤香子、関根光才、澤井妙治、真鍋大度)。

1989年のFIA(国際自動車連盟)1フォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)日本グランプリ予選で、アイルトン・セナが「マクラーレン ホンダ MP4/5」で記録した鈴鹿サーキットの当時世界最速ラップのデータをもとに再現したドライビングを、ムービーや3DCGで体験できるHondaのコンテンツである。

HondaインターナビのWebサイト「dots lab by internavi」内で公開されており、12月1日まで開催された「第43回東京モーターショー」のHondaブース内でも展示が行われた。

エンターテインメント部門大賞『Sound of Honda / Ayrton Senna 1989』菅野薫/保持壮太郎/大来優/キリーロバ ナージャ/米澤香子/関根光才/澤井妙治/真鍋大度 ©Honda Motor Co., Ltd. and its subsidiaries and affiliates.

アニメーション部門大賞『はちみつ色のユン』ユン/ローラン・ボアロー ©Mosaïque Films - Artémis Productions - Panda Média - Nadasdy Film - France 3 Cinéma – 2012

マンガ部門は、集英社「ウルトラジャンプ」で連載中の荒木飛呂彦氏の『ジョジョリオン ―ジョジョの奇妙な冒険Part8-』が大賞に選ばれた。人気のエンターテインメント作品であるというだけではなく、個性的なビジュアル、トリッキーな演出、「少年マンガ」というジャンルにおけるコマ割りの可能性の追求だけではなく、東日本大震災を作者が長年にわたり築きあげてきた壮大な物語世界に取り込んでいることも高く評価された。

マンガ部門大賞『ジョジョリオン ―ジョジョの奇妙な冒険 Part8―』荒木飛呂彦©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/SHUEISHA

荒木氏は「文化庁から賞をいただいたこの作品が、少しでも世の中の皆様のお役に立てることができればうれしいです」とコメントした。

本年度の作品応募は、海外83か国・地域からの2,347作品を含む、合計4,347作品(昨年度比124%)で過去最多となった。その中からアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの各部門で、大賞1作品、優秀賞4作品、新人賞3作品を、功労賞としてメディア芸術分野に貢献のあった4名が選出された。各受賞作品は以下の通り。

2014年2月5日から16日まで、東京・六本木の国立新美術館を中心に、東京ミッドタウン、シネマート六本木、スーパー・デラックスにて、受賞作品ほか約120点を一堂に紹介する受賞作品展が開催される。会場では作品の展示や上映、国内外の多彩なアーティストやクリエイターが集うシンポジウムやプレゼンテーション、ワークショップ等、約40のプログラムが展開される。

第17回文化庁メディア芸術祭 受賞作品

■アート部門
大賞
『crt mgn』 Carsten NICOLAI

優秀賞
『   を超える為の余白』 三原聡一郎
『Dronestagram』 James BRIDLE
『Situation Rooms』 Rimini Protokoll
『The Big Atlas of LA Pools』 Benedikt GROSS

新人賞
『Learn to be a Machine | DistantObject #1』 LAU Hochi
『Maquila Region 4』 Amor MUNOZ
『The SKOR Codex』 Aymeric MANSOUX, representative of “The SKOR Codex”

■エンターテインメント部門
大賞
『Sound of Honda / Ayrton Senna 1989』
 菅野薫/保持壮太郎/大来優/キリーロバ ナージャ/米澤香子/関根光才/澤井妙治/真鍋大度

優秀賞
『スポーツタイムマシン』 犬飼博士/安藤僚子
『プラモデルによる空想具現化』 池内啓人
『燃える仏像人間』 UJI Tea
『トラヴィス「ムーヴィング」』 Tom WRIGGLESWORTH/Matt ROBINSON

新人賞
『ゼゼヒヒ』 津田大介
『やけのはら「RELAXIN’」』
 最後の手段(有坂亜由夢/おいた まい/コハタ レン)
『TorqueL prototype 2013.03 @ E3』 なんも(柳原 隆幸)

■アニメーション部門
大賞
『はちみつ色のユン』 ユン/ローラン・ボアロー

優秀賞
『有頂天家族』 吉原正行
『ゴールデンタイム』 稲葉卓也
『サカサマのパテマ』 吉浦康裕
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 庵野秀明

新人賞
『ようこそぼくです選』 姫田真武
『Airy Me』 久野遥子
『WHILE THE CROW WEEPS―カラスの涙―』 鋤柄 真希子/松村 康平

■マンガ部門

大賞
『ジョジョリオン ―ジョジョの奇妙な冒険Part8―』 荒木飛呂彦

優秀賞
『昭和元禄落語心中』 雲田はるこ
『それでも町は廻っている』 石黒正数
『ちいさこべえ』 望月ミネタロウ/原作:山本周五郎
『ひきだしにテラリウム』 九井諒子

新人賞
『アリスと蔵六』 今井哲也
『塩素の味』 バスティアン・ヴィヴェス/訳:原正人
『夏休みの町』 町田洋

■功労賞
阿部 修也 (エンジニア/アーティスト)
柏原 満 (音響効果)
中村 公彦 (コミティア実行委員会代表)
松本 俊夫 (映画監督/映像作家/映画理論家)

※このほか、優れた130作品を審査委員会推薦作品として選定

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