工学部機械工学科卒業という経歴を持ち、現在は電通で「コミュニケーション・プランナー」として、これまでにない新しい企業コミュニケーションの形を模索する廣田周作さんもその一人。2013年7月には著書『SHARED VISION―相手を大切にすることからはじめるコミュニケーション』を刊行するなど、企業と消費者がフラットにつながる今の時代のコミュニケーションのあり方を自身の実践をもとに発信しています。
この連載では毎回、廣田さんが広告業界に限らず、そんな新しい働き方を見つけ、実践する方に話を聞きに行きます。
対談企画「仕事の創り方を変えよう!」
takram design engineering 代表
田川欣哉氏
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電通 プラットフォーム・ビジネス局 開発部 コミュニケーション・プランナー
廣田周作氏(『SHARED VISION―相手を大切にすることからはじめるコミュニケーション』著者)
新しい働き方の仮説を自ら実験台になって検証
廣田:広告業界はビジネスモデルが変容する過渡期にあり、その中で僕自身、いま新しいビジネスモデルや、そこでの仕事のスタイルを模索しているところです。対談では広告業界に限らず、変化する時代の中で新しい働き方を見つけ、実践している方たちに話を聞きながら、これからの働き方、さらには広告業界の今後のあり方についても考えていきたいなと思っています。
初回は、大学の研究室の大先輩である田川さんにお話をうかがいます。
もともと僕が工学部で機械科を専攻したのは、ものを作ることが好きだったことが理由です。でもそこに入って初めてエンジニアとデザイナーは分業で、一人ですべてに関われるわけではないのだという事実を知って…。
そんな時にすでに、その垣根を飛び越えて面白い仕事をされている田川さんの存在を知って、当時から憧れていたんです。
田川:僕が機械科を専攻した動機も、廣田さんと近いんです。当時の僕も世間知らずで、ものづくりはエンジニアが0から100まで全部一人でやっていると思っていた。大学3年生の時に、とある家電メーカーでインターンをさせてもらうなかで、ものづくりの現場では、デザイナーやプランナーなど、非エンジニア系の人たちの貢献度がかなりあるということを知り、衝撃を受けたんです。
「え!それ、俺の仕事だと思ってたんだけど!」みたいな感じですね(笑)。その後、エンジニアになるかデザイナーになるか、半年くらい悩んだんですけど、最終的に「とりあえず30歳になるまでは、どっちになるかを決めないで、やってみよう」という結論に達して。就職は諦め「エンジニアもデザイナーも一人で兼ねた働き方があるはず」という仮説を自ら実験台になって検証することにしたんです。
【「電通 廣田さんの対談」連載バックナンバー】
■takram design engineeringの田川欣哉さんに聞きに行く
・「自分で全部やってみたい人の仕事術」(前編)
・「自分で全部やってみたい人の仕事術」(後編)
■Sumallyの山本憲資さんに聞きに行く
・「リスクテイクする覚悟がある人の仕事術(前編)
・「リスクテイクする覚悟がある人の仕事術(後編)
■内沼晋太郎さんに聞きに行く
・「マージナルな場に飛び出す人の仕事術」(前編)
・「マージナルな場に飛び出す人の仕事術」(後編)※3月更新予定