同じ“作り手”目線のコミュニケーション
本田技研工業は28日、歴代コンセプトカーの外観デザイン3D(3次元)データを、特設Webサイト「Honda 3D Design Archives」で公開した。3Dデータはダウンロード可能で、3Dプリンターを用いてコンセプトモデルを複製(レプリケーション)できる。「ホンダの『ものづくり』を疑似体験できる」という点が企画のポイントだ。
「クルマの広告は、これまで消費者を『買う人』『使う人』と規定して、コミュニケーションを行ってきました。けれどいま、その関係が変わろうとしているとも言えます」と今回プロジェクトを手がけた原野守弘氏(もり)は指摘する。
『ロングテール』や『フリー』の著者クリス・アンダーソン氏が「第3の産業革命=メイカーズムーブメント」を提唱したように、3Dプリンターなどの新技術は、誰もが潜在的な「作り手」となる時代を到来させようとしている。
「ホンダは、消費者が作り手になり得ることにいち早く気づき、同じ『作り手同士』の目線でコミュニケーションしました。これがそのまま、『ものづくり』が大好きなホンダのキャラクターを表現することにつながるのです」。
制作はカイブツ、BIRDMANが担当した。
ダウンロードできるコンセプトモデルは、1999年に「スケートボード感覚で都会を疾走するイメージ」として発表した「不夜城」、2003年に披露した全幅1メートル82センチの車幅に全高1メートル25センチの異形の4ドアセダン「KIWAMI(キワミ)」ほか、「PUYO」「FSR Concept」「NSX Concept」の5種。
ホンダは2013年から、「ものづくり」に向かう姿勢や考え方をアピールするグローバル・ブランディング・プロジェクトを推進している。特に海外向けには「Art of Manufacturing」と銘打った。「Honda 3D Design Archives」は、2013年東京モーターショーのブランドCM「Super ultra daydreams」に続く、第二弾となる施策だ。