ここでは、『販促会議』2014年1月号に掲載された連載「販促NOW-ツール」の全文を転載します。
プラザでは今、メーカーから支給される床置きの陳列什器の利用を以前よりも控え、同社がセレクトした店頭ツールを中心に活用している。新店オープン時の店舗コンセプトなどを手掛ける長谷 誠氏によると、編集型のツールで商品提案の独自性を示し、ドラッグストアなどの店頭との差異化を図るためだという。
「今の売れ筋商品を売るだけでなく、品ぞろえのボリューム感によって次なるヒット商品を提案することを目指しています。ただ、商品点数が多くなると一点ずつがぼやけてしまいがちです。そうならないために、編集型のツールを使い、プラザとしておすすめしたい商品を明確化しています」。
そこで活躍しているツールの一つが「アクリルボックス」だ。店頭ディスプレイではよく使用される一般的なツールだが、同店スタッフの間では通称「中見せボックス」と呼ばれ、重宝されている。
プラザでの同ツールはその名の通り、商品の中身を見せるために使用されることが多い。例えば、手作り菓子のキットや組み立て式の玩具など、販売時と使用時の状態が違う商品は、完成形をアクリルボックス内に展示してビフォーアフターを見せる。また、シールをギフトラッピングに使う際のアイデアなど、購入後の楽しみ方を想起させる展示も多い。
「ジュエリーショップのショーケースを意識して、10年ほど前から現在の使い方を始めました。例えば、数年前からクリスマスシーズンに扱っている組み立て式のツリーは、アクリルボックスに完成見本を展示するようになってから、販売数が従来の3~10倍に伸びています。この時季、当店の店頭ではクリスマス関連商品を拡充しているため、特定の商品を抜き出して訴求しないと印象に残らなくなってしまう。お客さまの平均滞在時間も短めなので、特にリピート購入や目的購入されづらい、衝動買いが中心となる商品については、瞬時に欲しいと思ってもらうための“ひっかかり”が必要です。プラザとして売りたい商品を効果的に訴求するために、アクリルボックスの今の使い方にたどり着きました」と同氏。
最近はボックスの色や形を増やし、一つのボックスで商品の世界観をより表現できるようにしているという。
長谷 誠氏(はせ・まこと)
プラザスタイル カンパニー 販売推進部 ストアマーチャンダイザー
店舗スタッフ時代からMDに定評があり、現在は新店オープン時を中心に店づくりや陳列のディレクションを担当。
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