集英社より3月1日に新しいハイブリッド型メディアが誕生した。主に女性向けのアンチエイジングをテーマとした雑誌「MyAge(マイエイジ)」とオンラインメディア「OurAge(アワエイジ)」である。
読者の皆様に申し上げなければいけないのは、このメディアの仕掛け人である集英社・役員待遇の田中恵さんは筆者が教鞭をとる事業構想大学院大学の今期の卒業生であり、筆者がゼミなどで指導した優秀な生徒であるということだ。そのため、極力客観的に紹介するつもりではあるが、いくらかひいき目になってしまうかもしれないがご容赦いただきたい。
雑誌×オンラインメディアの新プロジェクト
MyAge/OurAgeは雑誌(季刊誌のMyAge)とオンラインメディア(OurAge)を、ひとつの編集部で担当し、同時に運営する集英社女性誌グループでも初の試みにであるということだ。MyAge/OurAgeともに「美&元気をあきらめない!」をキャッチフレーズに、40~50代の女性たちの健康と美を応援することで、まさに少子高齢化する社会を活性化する意味合いを持っているプロジェクトである。
まだまだ実験段階ということであるが、今後のメディアの融合に大きなインパクトを持つ可能性があると筆者は考えている。それは、各メディアの持つ特性を上手く活用していく構成がとられているからである。わかりやすく言うと、雑誌ではテーマの深みを追求し、オンラインメディアでは広がりを追求していると筆者はとらえている。そして、この構成は中心が雑誌ではなくオンライン側にあるということが大きく違うのではないだろうか。
女性のアンチエイジングをテーマに創刊された「MyAge(マイエイジ)」
季刊の雑誌である「MyAge(マイエイジ)」は、あるテーマに関して深掘りしていく役目を担っている。例えば創刊号の髪の特集であれば、頭皮ケア、スタイリングのコツからウィッグまで36ページというボリュームを使って深掘りしている。このように、テーマに関心のある読者に読み応えのある内容に編集されている。
読者対象とする女性たちは、ファッションやライフスタイルについての情報が欲しい20代の頃に雑誌で育った世代で、雑誌との親和性が高い世代、バブルも経験していて消費意欲が高く、トレンドにも敏感。子育てが一段落して、自分に時間とお金がかけられるようになって、遊ぶことや学ぶことにもとても前向きだが、健康や加齢への不安も感じており、正しい知識や情報も求めている。そのような層に対して雑誌ならではの信頼性と深さで情報を提供しているのである。