「意識の95%は非言語」に広告の未来があるかも

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先日、仕事でクライアント企業のLINEスタンプを制作する機会がありました。
LINEユーザーの中には、新しくリリースされるスタンプを次々と購入して、いろんな場面で使っている人が大勢いると思います。
言葉だけのやりとりの中に、キャラクターを使ったスタンプなんかが入ってくると、なんとなく会話が潤いますよね。

モヤモヤとした、言葉にならない気持ちを代弁するスタンプが見つかり、スパッとうまくハマれば気持ちがいいし、受け取る側もセンスを感じて楽しくなるでしょう。
企業がLINEスタンプを提供するのは、こうしたユーザー同士のハイコンテクストなコミュニケーションに自然な形で入り込むことが狙いです。

僕は週1回、大学で講師をしていて、授業の一環で、学生たちにケータイでの友人同士のやりとりを見せてもらうことがあります。
多くの学生がLINEを使っていますが、驚くのは彼らのコミュニケーションにおける言葉の少なさと短さです。
「うざっ」「きもっ」「カオス」「よくない?」「よくなくない?」などなど…。

最初は、「最近の学生たちは本を読まなくなったからか、ボキャブラリーが乏しいなあ」などとオヤジのような感想を持ちました。
でも、そういうことではないようです。

LINEの場合はスタンプ、従来のテキストベースのメールやSNSサービスでも顔文字や絵文字が盛んに使われていますし、写真をエフェクトアプリで加工して共有するというコミュニケーションも多く見られます。
要するに、これらが言葉を補っているからテキストが少なくて済むわけです。
中にはスタンプの応酬だけで会話が成立している人たちもいて、もはや、テキストではないものがコミュニケーションの中心コンテンツになっているのです。

特に若い世代では、気持ちや物事に対する感想を言語ではない方法で表現して、コミュニケーションを成立させています。
実は、メールやSNSサービス、それをサポートするアプリなどのテクノロジーの進化によって、こういったコミュニケーションの非言語化が、驚くべき勢いで進んでいるのです。

次ページ 「コミュニケーションの非言語化」とは?

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京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)
京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)

大手銀行でM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。
主に、グローバルブランドやITサービス、スタートアップ企業を担当し、
ソーシャルメディア・デジタル領域を中心とするエンゲージメント・プランニングや、
データサイエンスに基づくグロースハックを手がける。
カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルに毎年参加している。
著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)など。
東京都市大学非常勤講師。

京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)

大手銀行でM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。
主に、グローバルブランドやITサービス、スタートアップ企業を担当し、
ソーシャルメディア・デジタル領域を中心とするエンゲージメント・プランニングや、
データサイエンスに基づくグロースハックを手がける。
カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルに毎年参加している。
著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)など。
東京都市大学非常勤講師。

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