本欄では、広告主、広告業、メディア、クリエイターなどの垣根を超えて広告界の未来を本音で語りつくした2日間のセミナーの一部を紹介します。
目次
- 1ページ目 O2Oリワードが切り拓く、新たなる顧客エンゲージメント――KPIソリューションズ
- 2ページ目 コンビニ・GMS・スーパーで「買わせる」デジタルマーケティング最新事例――ニジボックス
- 3ページ目 オムニチャネル時代の最新リサーチ手法〜デバイスやチャネルを横断する生活者の行動・ニーズを捉えるには――ビービット
- 4ページ目 日本でもセルフアンケートがいよいよ本格化。今後のリサーチ動向について――マクロミル
O2Oリワードが切り拓く、新たなる顧客エンゲージメント
<登壇者>
- KPIソリューションズ 代表取締役 石田 徹郎 氏
リワード広告とは報酬提供型広告のことだが、現状は主にアプリのダウンロード数の獲得促進に活用されている。アプリをダウンロードしたユニークユーザーに報酬が与えられる広告で、アプリのユーザー数を増やし、ランキングを上げるのが狙いだ。
広告主はアプリの開発会社やアプリベンダー。掲出媒体は広告主自身のアプリ枠や事前予約サイトである場合が多い。
一方、「O2Oリワード」は、オンライン広告を見て来店する人がどの位いるかを計測するために開発された仕組みだ。スマートフォンで広告を見たユーザーがアプリをインストールして来店すると、初回のみリワードポイントが付与される。
ところが、iPhone(iOS)の普及によって「トラッキングは崩壊の危機にある」と石田氏は言う。「iOSはセキュリティーが厳しく、アップルストアが認めたアプリしかダウンロードできません。また、iOSユーザーは簡単にID変更できるため、ポイントの二重取りも可能ですし、端末識別子の使用が禁止されている。完全なユニークインストールを計測するのは不可能です」。
KPIソリューションズでは、今年2月にリワード広告を実現するアドネットワーク「Mobsmart SDK」を開発。その中で、「Mobsmart O2Oリワード」を立ち上げた。
独自のトラッキング技術「ニューラル・マッチング(特許技術)」でiOSユーザーでも完全特定トラッキングできるのが強みだ。クロスドメインやオプトアウトにも完全対応。ブラウザ&アプリ完全特定による100%完全ユニークインストール計測を可能にした。
プロモーションでは、店舗やイベント会場にビーコンを設置。SDKを自社アプリに導入してもらい、ユーザーのデータベースと連携しているDSPから通常通り出稿する。イベント会場や店舗に来店するとビーコンが感知してユーザーの広告閲覧端末に来店リワードポイントが付与される。
「決済システム等と連携してマネタイズできれば、なおよくなる」と石田氏。
今後、さまざまな決済方法に対応可能な新技術が登場することが想定されるため、O2Oリワードは加熱するだろうと考えているという。
さらに、インプレッションによってユーザーの意識の中にエンゲージメントが残っているかどうかといった「認知の可視化」を可能にする新しいスキームである「CPE指標」も開発 (特許出願中)、同社の運用型広告「AD meme」の中で提供していくという。
コンビニ・GMS・スーパーで「買わせる」デジタルマーケティング最新事例――ニジボックス