今月15日から開催中の「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」。その開催に先立つ13~14日、今年新設された新たなアワード「Lions Health(ライオンズヘルス)」の審査と受賞作品の発表が行われた。
ヘルスケア領域のコミュニケーションにおけるクリエイティビティを顕彰する同賞。初代グランプリには、電通中部支社が手がけた医療法人 葵鐘会 ベルネットの「Mother Book」が選ばれた。
「Mother Book」
「Mother Book」は、産婦人科クリニックグループのベルネットが、妊娠初期の段階で分娩の予約を入れた人に配布するビジュアルブック。
出産までの40週間を1冊の本にまとめたもので、ページをめくるごとにお母さんのお腹が少しずつ大きくなっていくなど、お母さんと赤ちゃんの身体が今どんな状態なのか、妊娠から出産までのプロセスを見える化している。
同作品は、ニューヨークフェスティバルのデザイン部門でFirst Prize、One Show 2014のデザイン部門でゴールドを受賞するなど、これまでも国際的アワードで高い評価を得てきた。
★アートディレクターとして同作に携わった電通中部支社 土橋通仁氏によるコラムはこちら
★電通中部支社 土橋通仁さんの受賞インタビューはこちら
今回、49カ国から集まったエントリーは計1423点。
エントリーおよび審査は「ヘルス&ウェルネス」「ファーマ」の2部門に分けて行われ、前者には48カ国から906点、後者には35カ国から517点が集まった。両部門合わせてゴールド8作品、シルバー19作品、ブロンズ26作品の受賞が決まり、国別の受賞作品数はブラジルが最多、僅差で英国、オーストラリアと続いた。
今年はファーマ部門のグランプリは「該当なし」で、グランプリは「Mother Book」のみとなった。
審査員は、50カ国800人のチーフ・クリエイティブ・オフィサーやクリエイティブ・ディレクターで構成され、ファーマ部門はSaatchi & Saatchi Wellnessのグローバル・チーフ・クリエイティブ・オフィサー Kathy Delaney氏、ヘルス&ウェルネス部門はMcCann Healthのグローバルクリエイティブディレクター Jeremy Perrott氏がそれぞれ審査員長を務めた。
日本からは電通のシニア・クリエーティブ・ディレクター 加茂麻由子氏がヘルス&ウェルネス部門の審査に参加した。日本からは「Mother Book」のほか、2作品が受賞を果たした。
ヘルス&ウェルネス部門 ゴールド
村田漢方 梅花五福丸 テレビCM「バッティングセンター」全6編
(電通クリエーティブX)
同作は昨年、フィルム部門でシルバーを受賞するなど、国内外のアワードで高い評価を受けている。
ファーマ部門 ブロンズ
協和発酵キリン「Invisible Things(インビジブル シングス:見えざる想い)」
(1-10design kyoto、Bilcom Tokyo)
企業ブランディングを目的とした体験型Webコンテンツ。製薬会社としての同社の「病気と闘うすべての人に笑顔を届けるために真摯に向き合う」という思い・価値観を映像化している。
コンセプトデザイナー・演出家の富永省吾氏、映像作家の矢吹誠氏、サウンド・アーティストのevala氏ら気鋭のクリエイターが手がけたことでも話題になった。