【イノベーション部門】
昨年新設された同部門には、日本からは電通/電通総研主任研究員、シニア・プランニング・ディレクターの山本浩一氏が審査に参加した。
ショートリストに選出された30作品のうち、グランプリには、ロシアの通信キャリア大手 メガフォン社の「MEGAFACES PAVILION AT THE SOCHI 2014 WINTER OLYMPIC GAMES」が選ばれた。
「MegaFaces」は、同社がソチ冬季オリンピックの際に現地にオープンしたパビリオンにおいて展開したアートインスタレーションで、パビリオンのファサードに、来場者の顔が3Dで浮かび上がるというもの。
パビリオン内のフォトブースを訪れた来場者の顔を5つのアングルから撮影し、データを処理。
ファサードの内側には1万1000本のロッドからなるアクチュエーターが仕込まれており、その制御システムに写真データを送信することで、LED電球つきのロッドが動いて顔の陰影を表現、巨大な顔のオブジェを形成する。一度に3人の顔が表示され、約50秒ごとに切り替わる。
企画制作には、2012年のロンドン五輪の際にコカ・コーラの「Coca-Cola Beatbox」を手がけたロンドンのデザイナー・建築家のアシフ・カーン氏がクリエイティブディレクターとして参加した。
「Coca-Cola Beatbox」
大会期間中、ファサードには14万人以上の顔が映し出され、ツイッターでは10万件を超える関連ツイートが見られたという。
日本からの受賞はなかったが、トヨタ自動車「KIROBOプロジェクト」(電通)、ヤフー「さわれる検索」(博報堂ケトル)の2作品がショートリスト入りを果たした。
KIROBOは、電通と東京大学先端科学技術研究センター、ロボ・ガレージ、トヨタ自動車が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力で進めてきた「きぼうロボットプロジェクト」の一環で開発された音声認識による会話機能などを備えた人型ロボット。
昨年8月に国際宇宙ステーション(ISS)に向けて種子島宇宙センターか打ち上げられ、11月にISSに到着、先日宇宙から帰還した宇宙飛行士・若田光一さんの元で会話実験が行われた。
その他、受賞作品(イノベーションライオンズ)は以下の通り。