【前回のコラム】「初めてCMをつくったときのことを、忘れないでいよう。」はこちら
武田さとみ(電通 第3CRP局 コピーライター)
「若手コラム書きませんか」というお誘いをいただいたとき、
これは「コピーライターという仕事をもっと好きになってもらうための、
ボディーコピーを書いてください」という課題だ、と思いました。
しびれるお題です。
どんなことが知りたいだろう。
どんなひとが読んでくれるんだろう。
そもそも、わたしはどんなことを伝えられるだろう。
どんな体温で書いたら伝わるだろう。
そんなことを考えていたら、あっという間に4回目になりました。
最終回は、いまのいま、コピーとコピーライターに思うあれこれを、
書いてみたいと思います。
息吸って、吐いて、肥やし。
コピーライターという仕事の好きなところはたくさんありますが、一番は、
「人生で起こるすべてを『肥やし』にできるところ」です。
ありとあらゆる経験が、コピーの書く材料になります。
たとえば、普通だったら不幸や災難とみなされる入院・ケガも、
「もしかしたら保険のコピーを書くときに使えるかも!」と思えますし、
たとえ一日中ソファに横になるだけで日が暮れ、己のダメさに苛まれても、
「この罪悪感や背徳感が、なにかのコピーに活かせるかも!」と思える。
コピーを介せば、どんなことだってポジティブに、だれかの役に立つことができる。
これはなかなかに素敵なことだなあと思っています。