「なんで日本の外へ?」

ニューヨークのWieden+Kennedyのロビー

はじめまして。ニューヨークのWieden+Kennedy(ワイデン+ケネディ)でクリエーティブディレクターをしながら、いろいろ個人の作品を作ったりして活動している川村真司と申します。これから数回に渡って、ざっくりと僕の体験してきた世界の広告クリエーティブの世界についてお伝えしていけたらと思っています。海外での広告業務のプロセスやら文化やらをご紹介することで、少しでもこちらの雰囲気が伝わって、海外で働くって面白そうと感じてくれたらうれしいです。さらには、それにチャレンジしようと思ってくれるクリエーターが増えたらいいな、という気持ちで慣れない文章を書いてみようと決めた次第です。

オフィスの内部

日本を出て5年ほど経って振り返ると、かなり、ずいぶん、相当、いろいろ面白い体験をしてきました。仮に日本に残っていたら、20年働いても得られないであろう経験を得ることができたと感じています。そのくらい違う国で働くことの密度は濃い。それをもっと多くの日本のクリエーティブにも体験して欲しい。

僕がそもそも海外に出て活動がしたいと思ったのは、違った価値観や文化の中に身を置くことで、手っ取り早く自分の考え方や視点を広げたかったからです。僕は常々、新しくて面白いコンテンツは新しい考え方や視点から生まれると思っています。日本の博報堂にいたときも充分面白い仕事をさせてもらえていたのですが、あるとき僕の考え方がちょっと凝り固まってきたように感じる瞬間がありました。なんというか、日本で求められる広告制作に「慣れて」きてしまったような。このままだと新しいと思うことをしていても結局日本の広告という枠を抜け出せないままだなと感じて、 外の世界に飛び出すことを決めました。

オフィス外観

日本というマーケットで求められる表現というものももちろんあって、それはそれで素晴らしいと思っています。ただ、僕はやっぱり日本のみならず、世界のどこでも通用するような新しくて力強いコミュニケーションを作りたい。いつか日本発の全世界キャンペーンとか作りたい。今はそのための修行だと思ってます。

ちょっと初回は所信表明のような内容になってしまいましたが、次回からはもう少し具体的に仕事のこと、海外エージェンシーの環境などを話していければと思っています。

※隔週土曜日連載(全7回)。次回は11月27日です。

川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)
川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)

2002年、CMプランナーとして博報堂に入社。2005年に英広告会社BBHの東京オフィス立ち上げに参加し、2007年にオランダ・アムステルダムの180(ワンエイティー)へ。米ニューヨークのBBHを経て、2010年9月からWieden+Kennedy New York クリエーティブ・ディレクター。2011年6月に伊藤直樹氏、原野守弘氏、清水幹太氏、中村洋基氏と「PARTY」を立ち上げ現職。
アディダス、プレイステーション(ソニー)、日産自動車、アックス(ユニリーバ)、グーグルなどのグローバルキャンペーンを手掛けつつ、「Rainbow in your hand」といったブックデザイン、SOUR「日々の音色」ミュージックビデオのディレクションなど活動は多岐にわたる。カンヌ国際広告祭やNY ADC、ワンショー、D&ADなどで受賞。

ウェブサイト: http://www.masa-ka.com/

川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)

2002年、CMプランナーとして博報堂に入社。2005年に英広告会社BBHの東京オフィス立ち上げに参加し、2007年にオランダ・アムステルダムの180(ワンエイティー)へ。米ニューヨークのBBHを経て、2010年9月からWieden+Kennedy New York クリエーティブ・ディレクター。2011年6月に伊藤直樹氏、原野守弘氏、清水幹太氏、中村洋基氏と「PARTY」を立ち上げ現職。
アディダス、プレイステーション(ソニー)、日産自動車、アックス(ユニリーバ)、グーグルなどのグローバルキャンペーンを手掛けつつ、「Rainbow in your hand」といったブックデザイン、SOUR「日々の音色」ミュージックビデオのディレクションなど活動は多岐にわたる。カンヌ国際広告祭やNY ADC、ワンショー、D&ADなどで受賞。

ウェブサイト: http://www.masa-ka.com/

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