イオンが進めるO2O、オムニチャネル戦略

講演者

  • 森永 和也(イオンリテール 執行役員 オムニチャネル推進本部長)

9月3日・4日東京国際フォーラムにて、「宣伝会議販促・集客メディアフォーラム2014」が開催され、販促担当者の課題解決に役立つ最新事例や手法についての講演が行われた。本コラムでは、メーカー・流通を中心とした注目企業のキーパーソンによって行われた講演の一部をレポートとして紹介する。

オムニチャネル推進の狙い

イオンリテール 森永 和也 氏

これまでの当社のビジネスモデルは、店舗をつくり、お客さまに足を運んでいただき、お代をいただくというものでした。現在は、そのモデルを転換するため、「コト」「モノ」「ネット」を軸とし、オムニチャネルに取り組んでいます。店舗とネットとをシームレスにつなぎ、お客さまが商品に触れる機会を増やしていくこと、そしてロイヤルカスタマーを増やすことが、オムニチャネル推進の狙いです。

現在もこれからも絶対に変わらないのは「買い物を楽しむために店舗に来ていただく」ということ。最近は来店自体を楽しんでいただくため、ショッピングセンター内で金融や医療のサービスを提供したり、レストランや休憩スペースの充実に力を入れたりしています。

来店動機を高めるアプリ

オムニチャネルの具体的な施策のひとつとして、商品やセールスの情報を集めたポータルサイト「AEONおトク!」をスタートさせました。このサイトを活用したプロモーションの一つに「トップバリュ ザクうまコロッケ」の事例があります。テレビで商品CMを放映し、見た人が「イオン」「コロッケ」などのキーワードでネット検索し「AEONおトク!」のサイトを訪れるようにするというものです。「AEONおトク!」内の「ザクうまコロッケ」のページでは「牛肉」や「男爵いも」などキーワードが紹介されており、興味を持ったお客さまは、店舗に行って購入するか、そのままネットスーパーで買うことができます。「マスメディア→ネット→店頭」のストーリーでプロモーションを展開しているのです。

スマートフォンアプリの活用では「イオンお買い物アプリ」というポータル的なアプリをリリースしました。その中に、来店動機を高めるための各種アプリをそろえています。

そのひとつ「撮って!インフォ」は、店舗内にあるPOP、ポスター、パンフレット、商品パッケージをスマホで撮影すると、アプリが画像を認識し、「おすすめレシピ」などの撮影した商品に関連した情報が見られるというものです。ほかにも、スマホが店内に設置されたデジタルサイネージから流れている特殊な音声をキャッチすると、お買い得情報などのコンテンツが表示される「イオン サウンドキャッチ」や、イオンの最新チラシ情報が見られる「イオンチラシアプリ」、イオンの電子マネー「WAON」のポイント数や利用履歴などが確認できる「WAONサービスアプリ」など、来店動機を高め、来店後も楽しく便利に過ごせるアプリを揃えています。

今後は、店頭レジやEコマースの購買データ、ネット検索やサイト内の回遊行動データなどをすべてひも付けて最適な分析を行い、お客さまにとってより適切な情報を効果的に届けられるようにしたいと考えています。

それを実現させるため、メーカー、システム会社などパートナーの皆さまと手を携えながらオムニチャネルの手法をさらに進化させたいと考えています。


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販促・集客メディアフォーラム事務局 2014
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