キャッチフレーズは『本屋ですが、ベストセラーはおいてません。』——大阪の人気書店経営者による店と街の作り方

スタンダードブックストア 代表取締役 中川和彦

本と雑貨を販売していて、併設のカフェには購入前の本を持ち込んで検討することができ、そのカフェではトークショーやワークショップなどのイベントも開催する店。カフェメニューは真っ当な食を心がけ、できる範囲で添加物や化学調味料を使わず提供するようにしている。私が経営するスタンダードブックストアを説明するとそんなところか。

自分たちが行きたくなるような店をやりたいと思って始めたので、基本的に自分たちがいいと思った商品を自分たちがいいと思ったように分類して陳列し、従来の本屋にありがちなスチール什器、タイルの床材、蛍光灯の照明はやめ、木製の什器、カーペットや木の床、ペンダントライトで空間を演出した。カフェのメニューも自分たちが食べたくないものは、提供しないようにしている。こんなことがしたいんだという自分たちの主張を伝えたいと考えている。

ただ、キャッチフレーズの『本屋ですが、ベストセラーはおいてません。』はベストセラーだからという理由だけでは扱わないということで、世間で売れている商品でも気に入れば扱う。要は同じような価値観の方に来店していただき、居心地がいいと感じてほしいのである。そのためには私たちスタッフも居心地良く感じて、楽しく働くことが必要だ。そうすれば、仲間に接するようにフレンドリーな接客ができる。

次ページ 「街はいろんな要素で成り立っており、店もその重要な要素のひとつ。」に続く

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宣伝会議 編集会議編集部
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