競争激しいテーマパーク市場における、キッザニアの差別化戦略

講演者

  • 関口 陽介 氏(KCJ GROUP株式会社 営業本部 広報・マーケティング部長)
「宣伝会議サミット/デジタルマーケティング・フォーラム2014」が11月19日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催された。企業内でCMOの役割を担う事業責任者が、生活者と良好な関係を構築するための戦略・方針をテーマに話した講演の一部をレポートとして紹介する。

関口 陽介 氏(KCJ GROUP株式会社 営業本部 広報・マーケティング部長)

キッザニアは子供たちが好きな職業を体験することで、楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができる職業・社会体験型施設です。コンセプトは「Education(学び)」と「Entertainment(楽しさ)」を合わせた「Edutainment(エデュテインメント)」で、体験による「学びの要素」を提供することで他のテーマパークと差別化を図っています。

「Education」の部分に重点をおいたコミュニケーション発信を行い、真剣に職業体験・社会体験を取り組むことによって得られる将来設計に対するリアリティや、仕事をする上で求められる社交性や協調性を子供たちに提供しています。

ターゲットは子供だけでなく地方に広がる

企業がキッザニアのスポンサーになることのメリットは、自社事業と関連のある体験施設を展開できる点にあります。ピザショップはPIZZA-LAを手掛けるフォーシーズ、飛行機はANAというように各業種のノウハウを提供することで、子供だけでなく同伴する保護者にもブランドを体験させることができます。また、子供たちの将来を考えさせる社会貢献活動に参加する企業というブランドイメージもつくることができます。

農業や漁業など第一次産業はキッザニアの施設内では体験できませんが、漁業体験ならばニチレイ、自然体験ならば森永製菓など、その分野に詳しい企業や施設を持つ企業をスポンサーに泊りがけの体験ツアーを提供しています。また、最近では地方からのニーズが高く、自治体や地方団体と組むことでキッザニアのノウハウを活用した地域活性化にも取り組み始めています。

次ページ 「大学研究でわかったキッザニアが子供にもたらす価値」へ続く

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宣伝会議サミット デジタルマーケティング・フォーラム2014
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