【前回の記事「商品購入者の口コミを誘発するには?」はこちら】
今や通販といえば、ネット通販を思い浮かべる人が増えています。若い層ばかりでなく、これまでカタログ派が多かった40歳代以上の主婦層などにも、ネット通販へシフトする傾向が伺えます。
日本能率協会総合研究所が調べた「通販利用者構造調査2014」の分析リポート(20〜60歳代対象)によると、ネット通販(モバイル通販、ネットオークション含む)を年1回以上利用したことのある人が70%なのに対して、カタログ通販(DM通販含む)は約50%。2010年と比べると、ネット通販は13ポイント増えていますがカタログ通販は微減しています。わずか4年間でこれほどですから、利用人数においては今後ますますネットの台頭が予想されます。
しかし、このままカタログ通販は衰退の一途かというと、そうではないと思います。同リポートをもう少し詳しく見てみると、ネット通販での購入が「趣味、娯楽用品」(カメラ・ゲーム・書籍など)、家電、AV機器、パソコン」のカテゴリーで圧倒的なシェアを占めるものの、「靴、カバン」「アクセサリー」「食品」などでは差が小さく、「衣料品」「サプリメント」「基礎化粧品」については、カタログ通販の方がまだ大きなシェアを獲得しています。また注文のリピート率もカタログ通販の方が高いという結果が出ています。
これは、カタログ通販の「媒体」としての強みを表しているのだと思います。カタログは一度手に取れば、暫くの間は目の届くところに置かれ、ちょっと時間のあいた時にパラパラとめくる…といった具合に日常に溶け込んでいきます。「◯◯◯は1冊の百貨店♫」のCMもあった通り、いつでも家の中に「店」がある状況です。購入商品について友人や家族に「それ、どこで買ったの?」と聞かれれば、「◯◯◯よ」とカタログや会社の名前で答えるでしょう。ところがネット通販の場合は「楽天で買った!」とか「ヤフーで見つけた!」とか、ショップ名ではなくモールの名前で答える人が多いそうです。つまり、商品を「どの店」で買ったかという意識が希薄なんですね。