18日から始まる旧正月「春節」の大型連休で、中国圏からの訪日観光客の消費がピークを迎えようとしている。観光庁の速報値では2014年、中国エリアからの訪日観光客数は前年比44.3%増の約617万人に到達。旅行消費額のうち「買い物代」だけでも5100億円規模で、前年比76.3%増と急伸した。この一大商機に向け、各社が販促施策を展開する。
博報堂は17日、スマートフォンアプリを通じて家電量販店や飲食店などへの来店を促すサービスを発表した。中国企業と組み、出国前にWi-Fiルーターを配布。同時にインストールしてもらうアプリに対し、割引クーポンを配信する。東京を訪れる中国人観光客2000人が対象。5月以降エリアを広げ、2015年度内に送客人数7万人、購入金額70億円を目指す。
昭文社は観光情報アプリ「DiGJAPAN!」へ、家電量販店「ビックカメラ」のクーポン配信をスタートさせた。免税に加えて6%割り引く。同アプリの強みは、出国前にダウンロードしておけば、日本国内ではインターネットに接続しなくても利用できる点。外国人旅行者が「日本滞在中に最も困ること」のトップに挙げる「国内の無線公衆LANの少なさ」に応える。
東武百貨店池袋本店では19日から50種1500個以上の「春節福袋」を売り出し、24日には旅行者向けに中国語による店内ツアーを実施する。通訳者が同行し、日本酒3種や日本茶の試飲、浴衣の着付けなどが体験できる。池袋本店は今年1月の免税手続き件数が前年比2.5倍と急増しており、さらなる売り伸ばしに期待をかける。
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