―リッチラボはヤフーの社内ベンチャーとして生まれたそうですね。
写真右 鈴木辰顕氏(代表取締役社長)
鈴木:はい。ヤフーの企業内企業家育成プログラム「スター育成プログラム」で選ばれたのがきっかけです。僕らが取り組むのは、小さな画面のスマホでもユーザーに対してポジティブな印象を与えるブランディング広告の開発。社内ベンチャーとして活動しているときに、他社メディアの方からの「こういう広告がほしかった」という声をもらって背中を押され、子会社化できるじゃないかと準備しました。
代表の私を含め、ほとんどのメンバーがエンジニア、デザイナーで構成されており、全員がモックをつくれ、コードもかける技術者集団です。
企画、デザイン、プログラミング、隙がなく、コードたちが躍動する広告やインターネットサービスを提供しています。
―グッドデザイン賞も受賞しているブランド広告「プライムウインドウ」は非常にユニークです。どのように開発されたのでしょうか。
http://www.g-mark.org/award/describe/41752
鈴置:プライムウインドウのアイデアは突如、天から降ってきたんです(笑)
鈴置菜津女氏
(クリエイティブディレクター)
当時は広告業務を担当していなくて、同僚からスマホ広告のUIについて意見を求められ、「Webページのレイヤー構造を生かしたら面白いかもしれない」と思ったのがきっかけです。長年フロントエンドの実装に携わっていたので、ブラウザ上で可能な表現やそれを支える技術を熟知していて。そこから発想できたのかな。それから30分ぐらいで一気にコードを書きました。出来上がったプロトタイプを広告関係者へ展開したところ、すぐに商品化の検討がはじまったんです。
小林大介氏(最高技術責任者)
小林:プライムウインドウを初めて見た時は、こんなにすごいアイデアがあったんだと感動を覚えました。これはどうしても商品化したいと思ったので、通常だと開発には2週間から1カ月かかるんですが、残業して3日で作りました。それくらいインパクトがありました。
鈴置:プライムウインドウはページの後ろに全画面広告があって、ページを閲覧する際のスクロールで窓から覗くように広告の一部をチラ見させて、ユーザーが気になってタップすれば背面の広告全体を見られる。ユーザーの興味を惹きつつ、従来よりも大きなクリエイティブで自社のブランドを訴求したいというクライアントの想いを実現します。
スマートフォンの画面のサイズで考えるのではなく、画面の向こうに広がるWebページやアプリケーションの大きさを基準に考えることで、画面領域に囚われずダイナミックに表現できています。
――「プライムカバー」の方はいかがでしょうか。
穴井宏幸氏(エンジニア)
穴井:プライムカバーは、スクロールする度に少しずつたたまれていく広告枠。ユーザーが画面をスクロールすると、広告が画面上にとどまりながら視認範囲がだんだん狭くなります。
鈴木:この広告の優れている点は、最初に大きく表示されるので、インビュー率100%で確実に訴求できる点です。さらに、広告枠が長く表示されるので、ユーザーに商品を感じてもらえますし、ストーリー性をもたせた広告展開でブランド感を醸成することもできます。プライムウインドウもプライムカバーも、これまでのスマホ広告にはない新しいタイプの広告です。
【問い合わせ】
リッチラボ株式会社
〒107-6211 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
http://richlab.co.jp/