電通は14日、コンテンツマーケティング会社ジョン・ブラウン・メディアグループ(John Brown Media Group)を買収すると発表した。海外本社の電通イージス・ネットワークを通じて株式の85%を取得し、2018年以降に完全子会社化する。
ジョン・ブラウンは1987年設立で、元は雑誌出版社だった。現在は企業が顧客向けに発行する冊子や、アプリなどのデジタルコンテンツ制作を請け負う。映像や音楽制作も手がける。2014年3月期の収益は約29億6000万円(1670万ポンド)。主な顧客企業に、アパレルブランドF&F、英百貨店ジョン・ルイス、英銀行大手ロイヤルバンク・オブ・スコットランド、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空がある。
電通は、オンライン広告やコンテンツの到達率向上を手がける傘下のアイプロスペクトと協業させる考え。ジョン・ブラウン側も、受け手の反応を元にコンテンツの投資対効果を高める。「コンテンツの伝達だけでなく、制作面の強化を図る。ジョン・ブラウンが編集業務で培った知見を生かし、より顧客企業の要望に応えられるコンテンツを用意したい」(電通・広報)。
当面は、ジョン・ブラウンが本社を置くロンドン市のほか、拠点を持つUAE(ドバイ)、南アフリカ(ケープタウン、ヨハネスブルグ)、中国(香港)の各市場での業務拡大を狙う。米国など、規模の大きな広告市場への進出も視野に入れる。
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